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被災地職員の心身ケアを

松山赤十字病院、大洲・宇和島に支援チーム派遣

2018年8月11日(土)(愛媛新聞)

被災地で職員の心のケアに当たる看護師ら=7月23日、大洲市徳森(日本赤十字社県支部提供)

被災地で職員の心のケアに当たる看護師ら=7月23日、大洲市徳森(日本赤十字社県支部提供)

 

被災地で職員の心のケアに当たる看護師ら=7月23日、大洲市徳森(日本赤十字社県支部提供)

被災地で職員の心のケアに当たる看護師ら=7月23日、大洲市徳森(日本赤十字社県支部提供)

 

【不眠・食欲不振・仕事山積… 「自分の健康に目向けて」】

 西日本豪雨で被災した県内の自治体職員らの中には、自らが被災しながらも災害対応に当たる人がいる。復旧・復興作業が長期化する中、こうした「支援者」の心のケアを担うため、松山赤十字病院(松山市文京町)の支援チームが7月21~25日、宇和島、大洲の両市に派遣された。市役所などで職員に向き合ったチームの看護師らは「心も体も健康でなければサポートはできない。まずは自分の健康に目を向けてほしい」と呼び掛ける。

 被災地では、自治体職員が十分な休息や睡眠が取れないまま働き続け、疲労が蓄積してしまうケースが少なくない。東日本大震災など過去の災害でも業務負担が増加し、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患った職員が増えたことが問題になった。

 チームは、災害時の心の変化などについて専門的な研修を受けた看護師らで構成。県の要請を受けて、3班計9人が各市の本庁や公民館を訪れ、会議室などの一角に相談スペースを設けた。血圧測定などを通して職員の健康状態をチェック。音楽を流し、菓子を提供しながら少しでも心安らぐ場をつくり、訪ねてきた計91人の声に耳を傾けた。

 宇和島市で活動した看護師広瀬陽子さん(47)は、「災害が起きた日から休まずに働いているのに、自身のつらさやしんどさに気付いていない人が多かった」と振り返る。

 被災のショックによる不眠や食欲不振、仕事が山積し先行きが見通せない不安…。話を聞くうちに職員は少しずつ気持ちを吐き出していった。ある職員は「第三者に話を聞いてもらいたかった」と涙を流したという。

 日本赤十字社県支部福祉係長で看護師の荒木美喜さん(47)は、同病院の臨床検査技師坂本真吾さん(33)とともに大洲市に3日間滞在した。水害により職員も多かれ少なかれ被災していたが、「大変な思いをしている市民がいると、自分のことは後回しにして業務に励んでいた」

 睡眠不足やストレスなどのため血圧が上がっている人は多く、体調面に不安を抱える職員には医療機関の受診を促した。荒木さんは「災害で助かった命を守り、健康を維持しながら復旧・復興作業を進めることが大切」と強調する。

 日本赤十字社では、2000年の北海道・有珠山噴火救護から、救護活動の柱として被災地で心のケアに取り組んでいる。

 松山赤十字病院の酒井富美看護副部長(56)は「職員へのアプローチの方法にまだ課題はあるものの、長期的な活動を続ける支援者側へのケアは欠かせない。リラックスして弱音を吐ける環境が重要で、今後も要請があれば、派遣に応じたい」と話している。

 

【ストレス症状、長期なら受診 趣味楽しむ/感情ため込まない 支援者にも息抜き必要】

 大きな災害を経験すると、被災者だけでなく、支援に当たる自治体職員やボランティアらも大きなストレスを受けることがある。さまざまなストレス反応が表れた場合、どう対処すればいいのか。

 岡山県精神保健福祉センターによると、支援活動の長期化や理想とする援助活動ができないことなどが要因となって、眠りが浅い▽食欲が出ない▽「ああすれば良かった」と後悔し、自分を責める▽もの悲しく、涙もろくなる―といった反応や症状が出ることがある。多くは時間とともに回復するが、あまりにつらかったり、十分な支援が受けられなかったりすると、日常生活にも影響が出る。

 同センターは、ホームページ上でストレス症状のチェックリストを掲載。症状が長期間続くときは、医療機関の受診や相談施設の利用を促している。

 また、リラクセーション方法を紹介。その一つ、「肩の上げ下げ」は、両手の力を抜いて下ろした状態で始め、両肩を耳にくっつけるようなイメージでゆっくりと引き上げていく。肩に力が入っていく感覚があれば力を一気に抜き、リラックスした状態を感じる。2、3回繰り返すと、自律神経系の調子を整える効果があるという。

 心のケアに詳しい日本赤十字社県支部福祉係長で看護師の荒木美喜さんはストレスを解消するには休息や息抜きが必要で、スポーツや音楽鑑賞などそれぞれの趣味を楽しむことを勧める。家族や友人らに気持ちを話したり、泣いたりして感情をため込まずに出すことも大切だ。

 甚大な被害を受けた地域では思うように復旧が進まず、つらさややるせなさを抱えることもあるかもしれない。心の持ち方として「すぐにはどうにもならない。時間がかかるということを認識してほしい」と説明する。

 日ごろの備えでは、非常用持ち出し袋の中に自分にとっての癒やしになるグッズを一つ入れておくといいという。「ぬいぐるみや家族の写真など自身が心の安定を保てる物があれば、癒やされながら少し頑張れるはず」と話す。

 

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