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八幡浜・保内地域

集落守った砂防ダム 先人建造 間一髪機能

2018年8月7日(火)(愛媛新聞)

 

【75年前の水害教訓】

 西日本豪雨による土砂崩れや河川氾濫で、家屋倒壊や基幹の農漁業に被害が出た八幡浜市。山間部に位置する同市保内町須川の奥集落では、75年前の大水害を教訓に建造された砂防ダムが被害拡大を防いだ。住民らは「先人が築いた壁が間一髪のところで地区を守ってくれた。今後も風化させないよう次の世代に受け継ぎたい」としている。

 

 市によると、市内では3日現在、土砂崩れで11棟が全壊し、計79棟が大規模半壊・半壊。床上・床下浸水の住宅は計288棟に上る。2カ所で山が崩れた奥集落は3棟が全壊するなどした。

 最悪の事態を防いだのが、地区を流れる神山川と奥川沿いにある8カ所の砂防ダムだった。最も下流にある幅約25メートル、深さ約2・5メートルの砂防ダムには、大木や土のう、布団などの家財道具をのみこんだ大量の土砂が流れ込んだが、容量寸前で食い止めた。堤防下には住宅が建ち並び、区長(67)は「砂防ダムがなければ被害はより広範で、人命にかかわる可能性もあった」と話す。

 奥集落では、1943年7月の台風で土砂災害が発生し、死者も出た。当時小学2年生だった男性(82)は「あちこちで山肌がむき出しになり、土砂は家や車、精米用の水車などを全部奪い地区を埋めた」と回想。数年後に砂防ダム建造が始まったという。青石を矢羽積で施工し、後にコンクリートで補強された。

 市総務課危機管理・原子力対策室は「ハザードマップのレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域で特に危険な区域)に建造されており、大きな効果を発揮した」とする。現在は砂防ダムの真下に住む二宮さんは「砂防ダムが最後のとりでとなり、うちもさらに下の住宅も人の命も守ってくれた」と安堵(あんど)した。

 

 一方で、豪雨災害から1カ月が経過した今も、砂防ダムにはあふれんばかりの土砂が堆積したままだ。今後のまとまった雨で決壊などの可能性もあり、住民は不安と隣り合わせの生活を続けている。

 松本区長は早期の土砂搬出や、外壁の強化・増設を要望したいという。「地域の先人たちの苦い経験が今回は『奇跡の壁』として生きた。地区を守る存在として有効視し、防災強化につなげたい」と力を込めた。

 

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