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台風接近の中開催

書道甲子園、県勢2校のみ辞退の経緯は

2018年8月5日(日)(愛媛新聞)

 

 四国中央市で7月29日に開かれた第11回全国高校書道パフォーマンス選手権大会(書道パフォーマンス甲子園、実行委員会主催)は、台風12号が愛媛県に接近する中、主催者側が災害リスクをにらみながら開催に踏み切った一方、安全最優先という観点から県教育委員会の通知で県勢の西条、新居浜西2校のみが出場辞退を余儀なくされた。開催、出場辞退それぞれの経緯を探った。

 

【 県教委 豪雨災害後 リスクを考慮/実行委 会場は避難所「対応可能」】

 大会は過去最多116校が参加し、20校が本戦への出場を決めていた。開会式は7月29日午前9時半で、前日に市内のホテルであった交流会は地元2校を含む全20校が参加した。

 台風は東から西に進む異例のコース。28日午前9時時点で松山地方気象台は、29日昼すぎから夕方にかけて愛媛に最も近づき、29日明け方から急に雨が強まる可能性があるとしていた。

 県教委は28日午後、台風接近に伴い、県内全ての県立学校長に、部活動や学校行事の中止を通知した。実行委にも大会実施の見直しを要請した。県教委高校教育課は「7月豪雨で地盤が緩んでいる中、生徒の安全を最優先に考えた」。西条は「台風が異例の進路を取り、気象庁から最大限の注意を払うよう発表がなされていた状況ではやむを得ない」と説明し、新居浜西も「あれだけの災害が直近で起こっており、十分理解できる」とする。

 通知により、西条、新居浜西の選手に加え、四国中央市内にある川之江、三島、土居の3校の高校生スタッフら約100人も自宅待機となった。代わりに市職員や一般ボランティア約30人が急きょ運営をサポート。実行委事務局は「(高校生は)半年前から熱心に協議を重ね、さまざまなアイデアを出してくれていた。非常に残念としか言いようがない」とする。

 29日午前5時半、同市を含む東予地方に暴風、波浪警報が発令されたが、実行委は午前6時すぎ、大会開催を決めた。会場の伊予三島運動公園体育館(同市中之庄町)は市指定の避難所。「市内では風はさほど強くなく、大会途中で天候が急変しても対応できる」と判断した。

 大会規定には翌日への延期も含まれているが、事前に出場校に実施した調査で、延期すると学校行事や旅費などの点で、半数が参加できなくなることが分かっていた。実行委は「できるだけ多くの学校に出場してもらった中で日本一を決めるべきだと考えた」。警報は午前10時半すぎに注意報に変わったが、県勢2校の出場はかなわなかった。

 他県の対応はどうだったか。香川県教委によると、香川県の高校でも大雨、暴風、洪水警報のいずれかが出たときには生徒は自宅待機となる。高松西は、28日朝に四国中央市に向かったが「安全面に注意を払い送り出した。高松市に警報が出ていたら(香川県教委と)協議した上で、状況によっては辞退する判断もあり得た」とする。

 広島県教委は、29日は気象に十分注意するよう学校長に通知。「広島県教委の主催行事は全て取りやめ、スポーツの大会などは主催団体に実施しないようお願いした」という。書道パフォーマンス甲子園に出た神辺旭は「会場は避難所にもなっているため、安全を確保できると判断した」とする。同教委も「学校の判断で状況を見つつ対応を判断したのだろう」と話した。

 大会開催を決めた実行委事務局、出場辞退を求めた愛媛県教委双方には、対応について疑問を呈する電話が多く寄せられたといい、判断の厳しさと難しさを物語っている。

 県教委は今月2日の県議会の特別委員会で議員の質問に、生徒の安全確保が最優先とし「つらい思いをされた方がいることに本当に心苦しく感じている。安全確保と生徒の思いの成就という両面から、関係諸局と慎重に検討する」と回答。実行委事務局は愛媛新聞の取材に「関係機関と事前の情報交換をより密にする必要があると考えている」と今後の大会運営の在り方についての考えを示した。

 

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