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愛媛豪雨災害

【大洲・肱川氾濫】ダム放流5分前に避難指示

2018年7月23日(月)(共同通信)

基準量の約6倍に当たる水が放流された鹿野川ダム=9日、大洲市

基準量の約6倍に当たる水が放流された鹿野川ダム=9日、大洲市

 西日本豪雨で氾濫した肱川の上流にある野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)が、安全とされる基準の6倍の量を放流した問題で、大洲市が住民に避難指示を出したのは、鹿野川ダムが大量放流を開始する5分前だったことが22日までに、関係者への取材で分かった。ダム側と行政は放流の2時間半前からホットラインでやりとりしていたが、生かし切れなかった。

 大洲市と西予市では放流後に大規模な浸水被害が起きるなどして、計9人が犠牲になった。国土交通省が情報提供の経緯を検証している。

 国交省四国地方整備局や大洲市によると、7日午前5時10分、鹿野川ダムを管理する同整備局の山鳥坂ダム工事事務所長から二宮隆久市長にホットラインで、ダムがあふれるのを防ぐため流入する水をほぼそのまま流す操作をする可能性があると連絡があった。6時20分は「午前7時半ごろから操作する見込み。過去最大の放流量になる」、6時50分は「最大放流量は毎秒6千トンの予測。危険だ」との内容だった。

 だが市が浸水の恐れがあると判断し、市全域に避難指示を出したのは午前7時半。放流は7時35分から実施され、最大放流量は安全とされる基準である毎秒約600トンの6倍に当たる約3700トンだった。

 大洲市では肱川の水位を避難指示の基準としていた地域はあるが、ダムの放流量は基準になっていなかった。午前7時半前に国交省大洲河川国道事務所の予測で最大水位8・15メートルと伝えられ、避難指示を判断した。

 大洲市では住宅約2900棟が浸水被害に遭い、水が流れ込むなどして3人が死亡、土砂災害で1人が亡くなった。西予市では5人が亡くなった。

 国交省は「放流の操作はマニュアル通り行い、適切だった」とする一方、情報提供を巡り課題があったとして、有識者や行政を交えた検証の会合を設置している。

 大洲市危機管理課は「避難指示に問題があったかは、国交省の検証に任せている」としている。市はダムの放流量に伴った避難指示の基準を設けることも視野に入れ、今後見直しを検討する。

 

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