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現役高校野球監督・部長が選ぶ 愛媛大会名勝負ベスト10

<5>10年決勝 宇和島東―済美 師弟対決、宿命の一戦  

2018年7月6日(金)(愛媛新聞)

9回裏、1死満塁で宇和島東・浅野が中犠飛を放ち、サヨナラ勝ちする=2010年7月28日、坊っちゃんスタジアム

9回裏、1死満塁で宇和島東・浅野が中犠飛を放ち、サヨナラ勝ちする=2010年7月28日、坊っちゃんスタジアム

元宇和島東監督の土居浩二氏

元宇和島東監督の土居浩二氏

宇和島東・浅野真矢さん

宇和島東・浅野真矢さん

 

 

 「ヒットでかっこよく決められればよかったけど…、少しだけ野球の神様がほほえんでくれた」。2010年愛媛大会の決勝は、宇和島東が3―2のサヨナラ勝ちで済美を破り、11年ぶりに頂点に立った。宇和島東監督の土居浩二(50)=現吉田監督=と済美監督の上甲正典による師弟対決にとどまらず、1年間にわたってしのぎを削り合った2校の宿命の一戦でもあった。

 宇和島東・山本と済美・鈴木の両エースが投げ合う中、宇和島東は2―2の九回裏に1死満塁という最高潮の場面を迎えた。打席に入ったのは、9番浅野真矢(26)。ベンチからの声援に「分かっとるけん」と応えて打席に入った。浅野は「練習量は一番やってきた自信があった。仲間の思いに応えて決めたかった」と振り返る。

 「実力は相手の方が上。追い込まれると厳しい」とちゅうちょはなかった。ベースぎりぎりに立ち外角への初球を必死に捉えると、中犠飛で三塁走者の山本が生還。宇和島東ナインは、グラウンドへ一気になだれ込んだ。

 前年の3回戦でも対戦していた両校。リリーフした山本は自身の暴投で同点に追いつかれると、流れを失い逆転負けを喫した。大会後も済美とは練習試合を重ねたが、土居は「通算で1勝4敗ぐらい。恩師に対して、監督がびびっていては勝てるわけがない」と苦笑する。10年の大会開幕直前にも、上甲の呼び掛けで対戦したが、こっぴどく負けたという。それでも「いつかは勝って恩返しをしたいと思っていた。どこかで上甲監督に勝つなら、決勝の舞台で勝ちたいと思っていた」と闘志を高めていた。

 過去の敗戦は決して無駄ではなかった。殊勲打の浅野は二回にも先制の適時打を放った。愛媛大会での自身初安打は「(大会直前の)練習試合で相手のフォークに引っかけてしまった。決め球に使ってくるイメージがあった」と、配球を読み切った一打だった。

 土居は宇和島東で上甲監督の下、3年間練習に励み、母校の監督就任後は指導者として薫陶を受けた。見事に恩返しを果たしたが、試合後に上甲とは「よう会えなかった」。勝負師としての上甲の気性を知っていたからだ。ようやく連絡したのは甲子園出発直前、電話口で「これから行ってきます」と一言。上甲からは「頑張れよ」と返ってきたという。

 振り返れば、11年前に宇和島東を聖地へ導いたのは上甲だった。その後、この決勝について話す機会がないまま、上甲は14年に病で他界した。今となっては確かめるすべもないが、土居の思いは伝わっていたはずだ。(長尾翼)

 

【アンケートの声】

 【南予の監督】上甲監督と土居監督の師弟対決は見応えがあった。

 【東予の部長】両校譲らぬ投手戦。九回の宇和島東サヨナラのチャンスで守備が乱れ、崩れ落ちる済美の選手がかわいそうだった。

 【南予の監督】最後まで接戦の好ゲームだった。

 

 

▽決勝(12時5分)

123456789
済美0000200002
宇和島東020000001X3

▽三塁打 山本

▽二塁打 竹本光、飯田

▽犠打 済0、宇1(浅野)

▽盗塁 済0、宇1(浅野)

▽失策 済0、宇1(山本)

▽球審 大西▽塁審 岡田、亀田、横井

▽試合時間 1時間53分

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