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一部保険適用 

病気腎移植、先進医療に 条件付き承認 

2018年7月6日(金)(愛媛新聞)

 

 

 

 

 厚生労働省の先進医療会議(座長・宮坂信之東京医科歯科大名誉教授、11人)は5日、宇和島徳洲会病院(宇和島市)が臨床研究を進める病気腎(修復腎)移植について、レシピエント(被移植者)選定に関する追加条件を満たせば先進医療として承認すると決めた。先進技術部分は自己負担だが、一般医療と共通する部分に保険が適用され、患者負担が軽減される。

 

 追加条件は、移植に反対してきた日本移植学会など関係5学会の推薦者をレシピエント選定委員会にも参加させること。下部組織の先進医療技術審査部会は、ドナー(臓器提供者)選定委員会のみへの参加を条件にしていた。

 厚労省によると、早ければ8月1日の告示後、部会が認めた徳洲会グループの宇和島と東京西の2病院に限って9年間の予定で臨床試験を実施。4年間で42例の実施を目指し、5年間で安全性や有効性を確認する。21例目までに移植した腎臓が機能しないケースが4例になれば試験を中止。他病院の参画は部会が個別に審査するほか、先進技術部分への保険適用は、中央社会保険医療協議会が試験結果を踏まえて判断する。

 レシピエントの費用総額は約347万円で、うち先進技術に関わる手術代や検査代などは約141万円。高額療養費制度も利用できるという。ドナーの費用は全額保険適用される。

 

 会議後、宮坂座長は「ドナーの少ない日本で修復腎活用のアイデアはいいが、条件付きの賛成。評価のためのスタート地点に立ったにすぎない」と強調。部会メンバーで日本泌尿器科学会の斎藤忠則・前保険委員長も「多くの問題に態勢を整えたのは確かだが、評価はこれから」と指摘した。

 

 一方、徳洲会の安富祖久明副理事長(68)は「治療の選択肢が増えたことは患者に大きなメリット。協力いただいた移植関連学会などに深く感謝する」などとするコメントを出した。NPO法人「移植への理解を求める会」の向田陽二理事長(60)=愛南町御荘菊川=は「ドナーに恵まれない患者が救われる道が開け、喜ばしい」と語った。

 宇和島徳洲会病院は2011年10月、臨床研究として実施していた同移植の先進医療適用を厚労省に申請。先進医療専門家会議(現・先進医療会議)が12年8月に「医学的、倫理的な問題が多い」として承認しなかったため、再申請し、部会が16年8月から審査。17年10月に「条件付き適」と評価していた。

 

◆患者にとって前進◆

 【宇和島徳洲会病院の万波誠医師の話】移植を待つ人たちにとっては前進と感じる。ドナーの数が増え、移植の数も多くなるのではないだろうか。私はこれまで通り治療を続けていくだけだ。

 

【議論的外れ 承認に時間 万波医師一問一答】

 厚生労働省の先進医療会議で、病気腎(修復腎)移植が条件付きで先進医療に承認されたことを受けた万波誠医師(77)とのやりとりは次の通り。

 

 ―関係学会は病気腎移植に反対してきた。

 さまざまな観点で反対はあったが、治療を施すことからは的外れな議論となっていた。だから(先進医療として)認められるのに時間はかかったのだろう。(反対の)立場の方の考え方は分からない。

 

 ―手術支援ロボットの技術も進み、病気腎移植に使う腎臓が減る予測もある。

 がんの治療のため、やむを得ず摘出となった腎臓を修復して手術をしており、その数自体は多い。待っている人は多くおり、ロボットの治療が進もうが、そういう予測は的外れと思う。

 

 ―後進の育成は。

 医者は自らが技術研さんに励む職業だと思っており、後進の指導はしていない。私自身は患者さんのために、治療に励むだけだ。

 

 【病気腎(修復腎)移植】ドナー(臓器提供者)となる腎臓がんなどの患者から摘出して患部を取り除き、腎不全のレシピエント(被移植者)に移植する手法。宇和島徳洲会病院の万波誠医師(77)らが生体、死体腎移植に続く、第三の移植として1990年ごろから実施してきた。日本移植学会などは、部分切除すべき腎臓の全摘でドナーが不利益を被る可能性が高い▽がん転移・再発の危険性がある―などと反対。厚生労働省は「医学的妥当性がない」として2007年に臨床研究以外を原則禁止した。徳洲会は09年12月からドナーの原疾患を腎臓がんに絞り、臨床研究として計18例を実施。厚労省に先進医療の承認を求めていた。

 

 【先進医療】保険適用外の先進技術を用いた医療。厚生労働省の先進医療会議が先進技術ごとに技術的・社会的妥当性を審査し、一定の安全性や有効性などが確認できれば、保険診療との併用を認める。先進技術に関わる費用は全額自己負担だが、一般診療と共通する検査代や入院費などには保険が使えるようになる。厚生労働大臣が定める施設基準を満たした保険医療機関が実施する「先進医療A」と、先進医療会議の下部組織の先進医療技術審査部会が認めた保険医療機関でなければ実施できない「先進医療B」があり、病気腎(修復腎)移植はBに該当する。6月1日時点でAが28種類、Bが64種類。

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