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現役高校野球監督・部長が選ぶ 愛媛大会名勝負ベスト10

<4>00年準々決勝 丹原―大洲 「一人必殺」投手リレー

2018年7月5日(木)(愛媛新聞)

7回表、勝ち越しの右中間三塁打を放ち、塁上でガッツポーズをする丹原の梶本弘=2000年7月26日、坊っちゃんスタジアム

7回表、勝ち越しの右中間三塁打を放ち、塁上でガッツポーズをする丹原の梶本弘=2000年7月26日、坊っちゃんスタジアム

元丹原監督の井上伸二氏

元丹原監督の井上伸二氏

丹原・木原崇さん

丹原・木原崇さん

 丹原の快進撃は、この試合から始まった。2000年夏、準々決勝で大洲と対戦し、意表を突く奇策で6点差から逆転勝利。波に乗ったナインは強豪校を次々撃破し、甲子園初出場を成し遂げた。

 7月26日。この日4試合目とあって、球場は夕闇に包まれていった。慣れない時間帯ということもあり、「とにかく歯車が合わなかった」。当時の監督、井上伸二(54)は回想する。投げればワンバウンドや暴投に。監督も選手も冷静さを失い、空回りしていた。

 初回に1点先制したものの、以降は大洲の猛攻にさらされ続けた。もうダメかもしれない―。7点目を奪われた四回裏、井上には慰める言葉が見つからなかった。だが、目に映ったのは諦めていない選手の姿。「これは全て出し切らないかん」。腹をくくった。

 五回表の攻撃で2点を返し、コールドは遠ざかったかにみえた。その裏、再びピンチに追い込まれる。「この回がヤマ場。あんな継投は見たことがなかったし、監督は勝たせるつもりなんだなと伝わってきた」。セカンドだった木原崇(35)は記憶の糸をたぐる。

 思い切った采配だった。1死一、二塁で迎えたのは左打者・土居。まず右投げの山田から左投げの宮川にスイッチした。「今までなら宮川にそのままいかせた。でも最善を尽くそうと思ったから」と井上。2投手を交互に代える「一人必殺」の投手リレーで相手のリズムを崩し、最後は2死満塁の場面で宮川が三振に仕留めた。

 大洲の監督、細田哲生(55)は「均等に力があるメンバーがそろい、いい調子だった」と苦い思い出を振り返る。愛媛大会では強力な打線がさく裂、順調に勝ち抜いてきた。「あの継投で、早く打ちたいと選手は気持ちをじらされ、焦りが生まれてしまった」

 これまで八回で逆転勝ちする試合が多かった丹原。チーム内ではラッキーセブンならぬ「ラッキーエイト」と呼んでいた。「ラッキーエイトへ、七回終了までに2点差にしよう」。声を掛け合い、気持ちをリセットした。

 その後、七回表の怒濤(どとう)の攻撃が始まる。「みんな火が付いた。打線があんなにつながったのは初めて」と木原。確実にバントを成功させるために代走を出すなど、考えられる策は「誰がなんと言おうと」(井上)全てやった。粘りに粘って10本の長短打で11点。この回コールドで大洲を下した。

 逆転劇を経験し、選手は一回り成長。「一回負けたようなもの。チャレンジャー精神で力を出し切ろう」。勢いそのまま、シード校の宇和島東と今治西を倒し、頂点へ駆け上がっていった。

 

【アンケートの声】

 【東予の部長】コールド負け寸前からの大逆転。この後勢いに乗り、甲子園初出場。

 【東予の監督】丹原の勢いがあまりにもすごかった。

 【中予の監督】初の坊っちゃんスタジアムでの愛媛大会。準々決勝の4試合目でナイターとなった。

 

 

▽準々決勝(17時36分)

123456789
丹原1000201114
大洲01240007

(七回コールドゲーム)

▽本塁打 近藤真

▽三塁打 梶本弘、梶本真

▽二塁打 渡辺、梶本真、長野、木原、明智、二宮、宮岡、土居、竹内

▽犠打 丹6(近藤真3、宮川、渡辺、玉井)大3(土居、西山、谷本)

▽盗塁 丹0、大1(土居)

▽失策 丹4(宮川、長野2、玉井)大1(松平)

▽暴投 山田2

▽試合時間 2時間34分

 

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