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現役高校野球監督・部長が選ぶ 愛媛大会名勝負ベスト10

<2>99年準々決勝 松山聖陵―宇和島東 番狂わせ「サヨナラ」  

2018年7月3日(火)(愛媛新聞)

9回裏、宇和島東・成田の中前打で宮本がサヨナラの生還。次打者・長滝に飛びついて喜ぶ=1999年7月25日、松山球場

9回裏、宇和島東・成田の中前打で宮本がサヨナラの生還。次打者・長滝に飛びついて喜ぶ=1999年7月25日、松山球場

宇和島東・若松建志さん

宇和島東・若松建志さん

宇和島東・成田光貴さん

宇和島東・成田光貴さん

 「いつもは泣かない、あっけらかんとしたやつが泣いているのを見て、感極まって涙がこぼれた」

 1999年夏の愛媛大会準々決勝。優勝候補筆頭の第1シード松山聖陵をノーシードの宇和島東が破る番狂わせ。最終回に逆転サヨナラ打を放った成田光貴(37)は、一塁を駆け抜けた後、ベンチで泣いて喜ぶ仲間の姿が目に入り勝利を実感したという。

 先発大星は松山聖陵の重量打線につかまり初回から3失点。宇和島東も六回に大星の本塁打などで一時は1点差まで詰め寄るものの終盤にも失点し、主導権は終始松山聖陵に握られていた。反撃しては突き放される展開に、成田は「実際は実力差があったと思う」と率直に振り返る。

 3点を追う最終回も若松、高岡が打ち取られ、瞬く間に2死へと追い込まれた。それでも3回戦まで2桁安打を続けてきたナインは、ひとたびランナーが出れば追い付く自信があった。

 3番大星が中前安打で出塁し、続く北岡もヒットを放ち2死一、二塁。相手バッテリーは当たっていた5番細井との勝負を避け、塁が全て埋まった。土壇場での絶好機。打席には九回にリリーフ登板した宮本が入った。

 ネクストバッターズサークルから見守っていた成田は、2球目の空振りを見て「ボールの軌道とスイングに大きな差があった」と、不安が頭をよぎった。ここで三走の大星がすかさずタイム。これが奏功し、一呼吸置いてリラックスした宮本がスライダーを打ち返し、走者一掃の三塁打でついに同点に。

 勝負の行方は成田に託された。「真っすぐに狙いを絞りつつスライダーも。どんな球でもタイミングが合っていた」。前打席まで3安打を放っていた成田を前に、相手ピッチャーの表情がこわばる。「これで決める」。0―2からの4球目を「抜けてくれと思いながらとにかく振った」。打球は二遊間を抜けて中前へ。スタンドは歓喜の渦に包まれた。

 97、98年と大会を連覇していた宇和島東。しかし、センターだった若松建志(36)が「上甲監督にはこれまで率いたチームの中で2番目に弱いと言われていた」と明かしたように、前年の秋季大会は地区予選敗退、春季県大会でも初戦で敗れるなど前評判は決して高くなかった。

 続く準決勝も延長十四回に及ぶ激戦となったが、「準々決勝を乗り越えられたから落ち着いてできた」(若松)と新田を押し切り、決勝では西条を退けて見事3連覇を達成した。

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