エソで揚げ物
未利用魚を絶品給食に 八幡浜高生考案
2018年6月21日(木)(愛媛新聞)
未利用魚で魚のまちの地産地消を推進しようと、八幡浜高校(八幡浜市松柏)の商業研究部「A★KIND(あきんど)」がエソを使った給食メニューを考案した。19日に市内の小中学校・幼稚園で2147食分が振る舞われ、子どもたちが地元の味を堪能した。
商業研究部は昨年11月、サイズが小さかったり、漁獲量が少なかったりで商品価値が低い「未利用魚」を使った給食商品開発プロジェクトに着手。水産業の現状として、八幡浜では200種近くの魚が水揚げされるが、未利用魚も多いと知り、給食メニュー化で未利用魚の価値向上と子どもの魚食普及を両立できると考えた。
目を付けたのはエソ。すり身はかまぼこやじゃこ天の原料になるが、骨が多く手間がかかるため家庭ではほとんど調理されない。加工施設「シーフードセンター八幡浜」や愛媛調理製菓専門学校と連携し、骨切りやメニューの試作を行い、揚げたエソとジャガイモに味付けしたピーマンなどを交ぜた「エソの甘辛揚げ」を創作。冷めてもおいしいという給食の必須条件をクリアした。
19日は商業研究部の6人が川之石小学校(同市保内町川之石)で児童にエソの特徴を説明し、一緒に給食を食べた。2年の女子児童(7)は「魚料理はあまり好きではないけど、初めての味でおいしかった。どんな魚かも勉強できてよかった」と笑顔。商業研究部長の3年の女子生徒(17)は「『おいしい』とおかわりする児童を見て、達成感があった。魚食で八幡浜の魅力を発信したい」と語った。