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えひめ認知症対策 支え合う地域

<5>JAの役割 組織挙げ人材育てる

2018年6月8日(金)(愛媛新聞)

フジ棚の下を散策するミニデイサービスのツアーの参加者。楽しみながら介護予防につなげる=4月25日午後、今治市

フジ棚の下を散策するミニデイサービスのツアーの参加者。楽しみながら介護予防につなげる=4月25日午後、今治市

 「こうして皆に会って、おしゃべりをするのが楽しいんよ」。4月下旬の今治市大三島町宮浦の大三島藤公園。JA西条のミニデイサービス「春探しツアー」に西条市新堀地区に住む70~90代の26人が参加した。見頃を迎えたフジ棚の下を散策する。認知症の人には必ず友人2、3人が自然に寄り添う。少し離れてJA職員と認知症サポーター3人がその姿を見守った。

 JA西条は11支部ごとに毎月1回、組合員に限らずおおむね70歳以上の住民を対象としたミニデイサービスを開く。取り組みを始めたのは介護保険導入を控えた1999年。住み慣れた地域で介護予防をしようと、認知症や転倒を防ぐ体操、健康チェック、手芸、押し花などのプログラムを用意する。

 「元気に来て楽しんで、元気に家に帰ってもらいたい」。高橋眸さん(70)は新堀地区でのミニデイサービス開始当初から手伝いを続ける。JA西条女性部新堀支部長の高橋やよいさん(61)は「なじんだ土地で支える側が自然な流れで支えられる側になる」。2人とも数年前、JA愛媛中央会が開く認知症サポーター養成講座を受講した。

 中央会が認知症サポーター養成に乗り出したのは2006年。全国のJAに先駆けて県内JAの全役職員をサポーターにするという旗を掲げ歩んできた。初年度は役職員を対象に、以降は新入職員向けと各JAの要請に応じて開講。全役職員の9割、女性部を中心にした組合員を含め、サポーターは5千人を超えた。

 さまざまな事業を担うJAでは、知らず知らずのうちに職員が認知症の人と接点を持つ機会が少なくない。預金窓口を何度も訪ねて来たり、マーケットで同じ物をいくつも買ったり―。「学んでおくと正しい対応ができる」。総合企画部の黒河安徳協同活動担当部長は効果を実感。組合員の高齢化が進む中「認知症になっても組合員が住み慣れた地域で住み続けられるよう自立支援が大切」と話す。

 保健師と介護支援専門員の資格を持ち、福祉アドバイザーとして中央会の事業を支えてきたのが松本栄さん(62)。「高齢者福祉部門を任された際、認知症は必ず向き合うべき課題だと思っていた」。新入職員への講座では、職員として身につける知識の一つとして認知症の特徴や対処法などを教える。

 県内JAからは「もっと学びたい」という声が上がるようになった。それに応えて、より理解を深めるためのステップアップ講座も開く。それでも「JAだけですべて対応することはできない。地域全体で考えること」と捉えている。

 認知症であろうとなかろうと、最後まで自分らしく暮らせる社会へ。多様な「支える手」をつくっていくために、試行錯誤は終わらない。

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