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栄光の陰で 平昌五輪選手を支えた県人

<下>パフォーマンスアップ 万全の状態 メダル導く

2018年5月4日(金)(愛媛新聞)

平昌五輪スピードスケート女子団体追い抜きで金メダルを獲得した選手らと写真に納まる佐伯武士さん(右上)=2月21日、韓国・江陵(佐伯さん提供)

平昌五輪スピードスケート女子団体追い抜きで金メダルを獲得した選手らと写真に納まる佐伯武士さん(右上)=2月21日、韓国・江陵(佐伯さん提供)

 「佐伯さん、背中をお願いします」。平昌五輪スピードスケート女子500メートル当日。五輪2連覇中の李相花(韓国)に挑む小平奈緒はナショナルチーム(NT)のトレーナー佐伯武士さん(48)=松山市出身=からいつものようにマッサージを受けた。

 「関節の動きや、筋肉の動きを引き出すのがマニュアルセラピストの技術」と佐伯さん。小平はレース前に必ず、背中の動きを引き出してほしいと佐伯さんに要望していたという。

 小平は背中、高木美帆は股関節を中心に、自分で意識して動かせない部分を治療。「動かしやすい体でアップをしてレースに臨みたいという選手の気持ちに応えたい」。平昌五輪の会場でも、佐伯さんは普段通りに選手を万全の状態にして、リンクへと送り出した。

 スタンドで見守った小平の500メートルは「歓声と熱気がすごかった」。ものものしい雰囲気の中、小平はライバルを制し、36秒94の五輪新記録で日本女子スピードスケート初の五輪金メダルを獲得した。「大の大人がみんな泣いていた。前の五輪ではメダルが取れず、昔からのスタッフはすごく悔しい思いをしてきた。それも含めた歓喜の涙だった」

 女子500メートルでは県スポーツ専門員の郷亜里砂も8位入賞。「調子が上がらないという話はあり、ちょうどピークが合わなかったのかも。それでも入賞は本当にすごいこと」とたたえた。

 五輪で佐伯さんが担当したのは小平、高木美、団体追い抜き。見事にメダルを獲得した選手らは表彰式後、すぐにスタッフへメダルを見せに来た。成績が出なかったときも、共に乗り越えた家族のような存在。「本当にいい子たちばかり」と佐伯さんは目を細める。

 平昌五輪でスピードスケート日本代表は六つのメダルを獲得した。喜びの裏で、意外な「困り事」も起きていた。「急に首のケアが多くなったんです」。重いメダルを首にかけ、取材を受けた選手たち。高木美は金銀銅、小平は金と銀。首には負担がかかったが「それもうれしいケアでした」。

 メダルなしに終わった前回ソチ五輪からの躍進は、NTの結成、オランダ式の強化という日本スケート連盟の改革の成功にある。マニュアルセラピストによる障害予防とパフォーマンスアップも重要な要素となった。

 今回はNTの指揮を執ったヨハン・デビットコーチのトップダウンでマニュアルセラピストが起用されたが、「日本には複数のトレーナー協会があり、他の競技ですぐに取り入れるのは難しい」と佐伯さん。それでも2020年の東京五輪に向け「医学的な治療を行えるトレーナーの役割を広めていきたい。スピードスケートがいいモデルになってくれれば」と期待を込める。自身も22年の北京五輪まで、選手を支えていくつもりだ。

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