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栄光の陰で 平昌五輪選手を支えた県人

<上>けが予防 強化に不可欠、白羽の矢

2018年5月3日(木)(愛媛新聞)

高木菜那(左)の脚に処置を施す佐伯武士さん=2017年12月、米ソルトレークシティー(佐伯さん提供)

高木菜那(左)の脚に処置を施す佐伯武士さん=2017年12月、米ソルトレークシティー(佐伯さん提供)

ナショナルチームでの役割を振り返る佐伯武士さん=4月、松山市大手町1丁目

ナショナルチームでの役割を振り返る佐伯武士さん=4月、松山市大手町1丁目

高木菜那(左)の脚に処置を施す佐伯武士さん=2017年12月、米ソルトレークシティー(佐伯さん提供)

高木菜那(左)の脚に処置を施す佐伯武士さん=2017年12月、米ソルトレークシティー(佐伯さん提供)

ナショナルチームでの役割を振り返る佐伯武士さん=4月、松山市大手町1丁目

ナショナルチームでの役割を振り返る佐伯武士さん=4月、松山市大手町1丁目

 佐伯さんとスピードスケートを結びつけたのは、整形外科の疾患を専門に治療する「マニュアルセラピスト」という海外の資格。理学療法士が医師と同様に開業できる欧州や米国に比べ「日本の教育レベルは低い」(佐伯さん)。より専門的な技術を求め、佐伯さんは約6年かけて勉強し、ドイツで資格を取得した。

 「日本でスピードスケートのコーチをしている知人を助けてやってくれないか」。平昌五輪の2年ほど前、かつて講座を一緒に受けたオランダの友人からメールが届いた。メールに書かれた「知人」こそ、NTの中長距離ヘッドコーチを務めたヨハン・デビット。高木美帆らを鍛え上げ、日本をメダルに導いた立役者だ。

 日本スケート連盟は2015年5月、デビット・コーチをNTに招き、強豪国オランダ流の指導体制を築いた。彼の強いこだわりが「トレーナーはマニュアルセラピストであること」。スケート選手は背中や股関節、腰などに痛みが出やすく、けがの予防が最重要。医師に代わって選手の体の状態を診断し、実際に痛みの治療やリハビリを行えるマニュアルセラピストはデビット・コーチの求める「障害予防」に欠かせない存在といえた。

 ただオランダ人では日本語のコミュニケーションが難しい。そこで連盟が白羽の矢を立てたのが、世界学会の役員を務め、大学院でもスポーツ健康科学の研究に携わっていた佐伯さんだった。

 スピードスケートの知識は皆無。それでも「自分が五輪に関われるなんて思ってもみなかった。巡り合わせですね」。大学の非常勤講師、大学院の博士課程在籍という多忙なスケジュールの中、佐伯さんは16年夏にNT入り。17年4月から五輪まで、ほぼ毎日チームに帯同した。

 デビット・コーチの強化メニューは過酷そのもの。「選手は体を追い込むので、初めは腰や股関節の痛みがものすごく多かった。でも五輪の開催年度、痛みを訴える選手はほぼいなかった」

 選手たちの股関節や肩の可動域などをチェックし、体の違和感を即座に見つけて痛みが出る前に修正。佐伯さんはこうして、万全な状態での練習を可能にした。

 「ヨハンは言っていた。けがさえしなければ勝てる、と」。それを見事に証明する平昌冬季五輪がやってきた。

 

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