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障害者にやさしい本を

県内公立図書館、「LLブック」導入の動き拡大

2018年5月2日(水)(愛媛新聞)

ピクトグラムや写真などを多用して構成される「LLブック」。障害のある人も楽しめる=4月18日、松山市湊町7丁目

ピクトグラムや写真などを多用して構成される「LLブック」。障害のある人も楽しめる=4月18日、松山市湊町7丁目

 知的障害や発達障害のある人たちのため、ピクトグラム(絵文字)や写真、イラストを多用して構成された本「LLブック」。北欧を中心に普及しているが、国内ではまだ出版点数が少なく知られていない。LLブックに親しんでもらおうと、松山市湊町7丁目の市立中央図書館はこのほど、作品を集めたコーナーを設置した。誰もが読書しやすい環境づくりへ県内の公立図書館でもLLブック導入の動きは広がりつつある。

 LLブックは1960年代にスウェーデンで出版が始まった。LLはスウェーデン語で「やさしく読みやすい」という意味の略。文章は分かち書きで難しい語彙(ごい)や受け身の表現を避け、写真やイラストを使って視覚的にも分かりやすくまとめているのが特徴だ。欧米では読み書きが苦手な人だけでなく、高齢者や移民らにも読まれているという。国内では2000年代以降、LLブックと明示した作品が出版されている。

 同図書館では16年からLLブックを導入。今年3月中旬、2階の障害者図書コーナー内に8冊を集約した。布やフェルトを縫い合わせて作られる布絵本や点字図書、録音図書とともに展示している。

 「地震がきたらどうすればいいの?」(埼玉福祉会)は、子どもが1人でいたときに地震が起きた場合の避難方法を紹介。大きな絵に、「ゆれが とまったら にげます」といった文とピクトグラムを組み合わせ、屋内外での具体的な対応策を説明する。

 若い男女の恋物語をテーマにした「はつ恋」(樹村房)は写真を中心にストーリーが進んでいく。目次には海や男女、ロールケーキなどのピクトグラムが記され、字が読めなくても章ごとの内容が分かる。

 同上旬にはLLブックの童話を使った「おはなし会」を開催。親子ら約30人が参加し、気に入った本を借りる人もいたという。司書の小池ひろみさん(47)は「ピクトグラムなどがあると話の世界を楽しむ手段が増える。文字を読むのが苦手な人も、そうでない人も同様に内容が理解できるので幅広く楽しんでもらいたい」と期待する。

 図書館などでつくる「近畿視覚障害者情報サービス研究協議会」(大阪市)によると、LLブックの出版点数は13年時点で約80冊。樹村房(東京都)と埼玉福祉会(埼玉県)では、15年以降計11冊を発刊した。作品はまだ限られているが、LLブックを集める図書館は全国的にも少しずつ増えているという。

 障害者に必要な合理的配慮を公的機関に義務付けた「障害者差別解消法」の観点からも、LLブックの普及が求められる。今治市立中央図書館(同市常盤町5丁目)は16年の法施行を見据え、15年からLLブックを配置してきた。現在10冊ほどをそろえ、多様なニーズに応えるため、今後も蔵書を充実させていく方針だ。このほか東温市立図書館(同市見奈良)などでも導入されている。

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