反撃の9人 愛媛FCの新戦力
<下>前野貴徳、安藤淳、竹嶋裕二
2018年2月24日(土)(愛媛新聞)
◆前野貴徳(29)=DF 古巣帰還 左サイド躍動◆
6季ぶりに帰還した愛媛FC下部組織出身のレフティー。「強い気持ちを前面に出すプレースタイルは変わっていない。特長の左足でしっかりと得点とアシストを重ねたい」とニンスタでの躍動を思い描く。
松山市出身。2013年に活躍を認められ、愛媛からJ1鹿島に移籍、15年からは新潟でプレーした。「愛媛ではがむしゃらにやっていた。上のレベルを経験したことで、状況に応じたポジショニングや駆け引きは身についた」とJ1での日々を振り返る。
ただ、故障で満足にプレーできない時期もあった。「昨季は一試合も出ていない。『大丈夫なの?』と思う人もいるだろうが、状態は万全。不安をはね返したい」。「リフレッシュできて、サッカーに集中できる」という愛媛の空気を追い風に、左サイドからチームをけん引する。
◆安藤淳(33)=DF 多彩な経験と高い技術◆
ボランチ、センターバック、ウイング…。プロで経験したポジションを並べると、安藤10人とGKでチームができそうなほどバラエティーに富んでいる。「監督が適性を見て起用してくれた結果。器用さはあると思う」。少数精鋭で戦う愛媛FCにとって、長いシーズンを戦う上で貴重な戦力となりそうだ。
本職はボランチだったが、年を重ねるごとにピッチのあらゆる場所に立つようになった。「自信がある」という基礎技術の高さと、場面ごとでの役割を考える力が、多彩なポジションでのプレーを可能にする。
プロ12年目のベテランだが、近年はけがで満足なシーズンを送れていない。トライアウトを経ての新天地に「最初に声を掛けてくれてありがたかった。まだまだやれる自信はある。一層成長する年にしたい」と高い向上心を持って臨む。
◆竹嶋裕二(18)=MF 成長続ける最年少新人◆
最年少の新人ながら、ベテランに臆することなく競り掛けていく。果敢なボール奪取を持ち味とするボランチは「ピッチで年は関係ない。積極的にやらないと評価されることはない」とひたむきにスタメンの座を追う。
J2千葉の下部組織出身。トップ昇格できなかった悔しさを秘め愛媛入りを決断した。
プロの世界で「丸裸にされる」日々を送る。「次のプレーを考えるスピードが明らかに違う。まだまだだった」。悩んだ時期もあったが「課題はあらわになった方が良い」と切り替え済み。「早く試合に絡みたい」と成長を続けている。
最近、同じ夢を見るという。愛媛のユニホームを着て、千葉の本拠地でプレーする姿。「愛媛の人に喜んでもらい、千葉への恩返しにもなる。既に2、3点はぶち込んでるんですよ」。正夢となる日は、いつか来る。