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愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<5>奨励賞/第1部門 研究・評論 「『西條誌』絵図の今むかし」(愛媛新聞サービスセンター)伊藤茂著

2018年1月10日(水)(愛媛新聞)

「学生時代の夢が50年を経て形になり、さらに受賞できてうれしい」と喜ぶ伊藤茂さん

「学生時代の夢が50年を経て形になり、さらに受賞できてうれしい」と喜ぶ伊藤茂さん

【江戸期の郷土に迫る 訪ね歩いて写真で比較】

 大学時代から約50年温めた構想を、9年かけて取材し一冊にまとめた。西条市出身の著者伊藤茂さん(73)=砥部町原町=は「長年夢見たことが形になった上、こうして評価されて本当にうれしい」と受賞に顔を緩ませる。

 西條誌は、江戸時代後期に西条藩が儒学者の日野和煦(にこてる)に命じてまとめさせた郷土地誌。1842年に完成し、全20巻で現在の西条、新居浜、四国中央の3市の町並みや自然などを148点の彩色絵図を添えて説明している。

 本書はその中から西条市中心部の「新町泉と紙方役所」、石鎚山、新居浜市の一宮神社など約50点を抽出。伊藤さんが訪ね歩いて撮影した写真と並べ、当時と現代の姿を比較することができる。四国中央市の轟城跡など中世の遺跡も取り上げ、江戸時代以前の歴史にも解説。歴史好き以外の人にも西條誌を知ってもらいたいと分かりやすい表現を心掛けたといい「そうした点も受賞につながったのでは」と分析する。

 伊藤さんは西條誌について「江戸時代に各藩で地誌がまとめられたが、彩色絵図をこれほど盛り込んだのは珍しい。愛媛全体の貴重な宝」と強調。出版後も本書で取り上げなかった場所に出掛けており、日野や絵師の青野国平らに対して「相当な苦労と責任感で仕事を成し遂げたのだろう。各村々の協力も欠かせなかった」と思いを巡らす。

 ただ2人に関しては、ほとんど知られていないという。取材過程で生没年不明の青野について、1861年に亡くなったとみられる記録を四国霊場63番札所吉祥寺(西条市氷見)で見つけた。伊藤さんは2人の人柄にも迫りたいと考えており「それぞれの生涯について、引き続いて調べていきたい」と意気込んでいる。

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