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第66回愛媛新聞賞 文化部門

人形浄瑠璃文楽人形遣い・人間国宝 吉田和生さん(70)=兵庫県芦屋市在住、西予市出身

2018年1月1日(月)(愛媛新聞)

「芝居は見てもらってなんぼ。お客さんがいるから続けられる」と話す吉田和生さん

「芝居は見てもらってなんぼ。お客さんがいるから続けられる」と話す吉田和生さん

【覚悟の舞台 立ち続ける】

 半世紀にわたり研さんを重ね、昨年、人形浄瑠璃文楽人形遣いとして人間国宝に認定された。思いがけず踏み入れた道で得た栄誉に、職人に憧れを抱いたかつての青年は「人生どんなふうになるかは分からんもんやなあ」としみじみ語る。

 西予市野村地区出身。文楽と縁なく育った。高校卒業後も「自分は一人でコツコツやる職人が向いている。大学に行かず4年間で仕事を探すつもりやった」。京都見学の帰り、徳島県鳴門市の文楽人形の首(かしら)作り名人を訪ねたことが転機に。後の師匠となる吉田文雀さんを紹介され、運命の歯車が回り始めた。

 19歳で伝統芸能の世界に飛び込んだ。内弟子の生活は厳しくも温かかったという。博学の師匠はどこへでもお供させ、おかみさんは実の子のように接してくれた。「おやっさん(文雀さん)の下であらゆることを学び、芸を磨いた。その感謝の思いが今こうして実を結ばせた」

 2016年に人間国宝の文雀さんが亡くなった。物語や登場人物の内面に迫る奥深い芸は師匠譲り。周囲からの期待に和生さんは「今まで通り一生懸命与えられた役をやるだけ」。ぶれない信念を持って舞台に立ち続ける覚悟だ。

 後進育成や普及に向けた取り組みにも心血を注ぐ。「この世界に入った者には絶やさず次の世代に送る義務が生じる」と常々口にする。すべては400年続いてきた文楽のため。「うまく伝えられればこの道に入った意義があると思う。僕なんて人形持ってなかったらただのおじさんやからね」。白い歯をみせた。

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