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2018
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[E4巻頭特集]愛媛の酒蔵の挑戦

<下>インバウンド向け酒税免税制度がスタート

2018年1月1日(月)(愛媛新聞E4編集係)

石鎚酒造

石鎚酒造

八木酒造部

八木酒造部

梅美人酒造

梅美人酒造

「食中に活きる酒造り」と語る石鎚酒造(西条市)専務の越智浩さん

「食中に活きる酒造り」と語る石鎚酒造(西条市)専務の越智浩さん

「食中に活きる酒造り」と語る石鎚酒造(西条市)専務の越智浩さん

「食中に活きる酒造り」と語る石鎚酒造(西条市)専務の越智浩さん

【石鎚酒造(西条市)】

 西日本最高峰、石鎚山のふもとに位置する石鎚酒造(西条市)。霊峰がもたらす打ち抜きの「水」と、厳選した「米」、そして、データ分析や最新設備と、経験・手造りという伝統を両立させた「技」が相まって、「食中に活きる酒」を造り出す。

 搾りたての酒は低温貯蔵され、空気との接触の少ない瓶詰で保管する。酒蔵で購入した酒は、芳醇な香りと味わい、酒が持つ本来のうまみがそのままに味わえる。蔵元を訪れることで「石鎚山を背景に立地するこの風景の中で生まれた酒だということを感じ取ってもらい、酒を楽しんでもらいたい」と越智さん。

 2020年、創業100年を迎える。海外展開を見据えて、世界に通用するラベルやボトルの検討も始めている。

 

 

「地元産の原材料にこだわりたい」と語る八木酒造部社長の八木伸樹さん

「地元産の原材料にこだわりたい」と語る八木酒造部社長の八木伸樹さん

「地元産の原材料にこだわりたい」と語る八木酒造部社長の八木伸樹さん

「地元産の原材料にこだわりたい」と語る八木酒造部社長の八木伸樹さん

 

【八木酒造部(今治市)】

 「地酒は地元の味」にこだわる。蔵の井戸から良質の水をくみ上げ、「米」は愛媛産の「しずく媛」「松山三井」を中心に使用、越智杜氏の匠の「技」で「愛媛ならではの酒を作り上げる」と八木さんは語る。「ワイン文化圏では、メーカーの所在地と原材料の生産地が違うことに疑問を持つ人が多い。ワインの紹介文にあるように、地元で採れたものを使い、地元で作り上げるという考え方を貫いていきたい」

 サイクリングの聖地として国際的な認知度が高まる瀬戸内しまなみ海道。「外国人観光客の増加に向けて体制を整えておきたい」と酒税免税を四国一番乗りで手続きした。生産工程の見学も事前連絡でタイミングが合えば、対応しているという。「取り組みは始まったばかり。今後は、試飲や販売コーナーを設けるなど、受け入れ態勢を充実させていきたい」と語る。

 

 

国の登録有形文化財の建造物で「酒蔵の歴史」を感じてほしいと話す梅美人酒造社長の上田英樹さん

国の登録有形文化財の建造物で「酒蔵の歴史」を感じてほしいと話す梅美人酒造社長の上田英樹さん

国の登録有形文化財の建造物で「酒蔵の歴史」を感じてほしいと話す梅美人酒造社長の上田英樹さん

国の登録有形文化財の建造物で「酒蔵の歴史」を感じてほしいと話す梅美人酒造社長の上田英樹さん

 

【梅美人酒造(八幡浜市)】

 1916年創業の梅美人酒造(八幡浜市)の敷地内にある5つの建物が2014年、国の登録有形文化財に指定された。洋風の外観と和の内装がコラボした事務所(1933年)。高さ23メートルの煙突がそびえる釜場・煙突(1928年)。創業時に作られた酒蔵、昭和初期製造の空調設備、貯蔵タンク、圧搾機等が産業遺産として残る醸造所など、「酒蔵の歴史」がそこにある。

 八幡浜市の観光名所として、2016年は年間約1000人の見学を受け入れた。「40センチもの厚い壁には断熱材としてもみ殻が使用され、夏は涼しく、冬は暖かい。先人の知恵が詰まった『酒蔵遺産』を通じて、外国人にも喜ばれるおもてなしをしたい」との思いから、社長の上田英樹さんは新制度に登録した。「蔵の歴史、酒造りの現場を見てもらうことで、酒の味に物語性が加わる。その感動を届けたい」と思い描く。

 

【SAKEと食材 オール愛媛で発信】

 「食中に活きる酒」をモットーに酒造りに取り組んできた越智さんは「食材文化を含めてオール愛媛で展開することが大事」と力説する。瀬戸内の魚、愛媛の豊かな自然に育まれた肉。越智さんは「愛媛は食材の宝庫」と胸を張る。「酒は守備範囲が広い。和食だけではない。料理との調和の中で海外展開を図ることができる」と感じている。

 

愛媛県産ブランド食材に合う愛媛の地酒を審査する「えひめSAKE with FOOD」

愛媛県産ブランド食材に合う愛媛の地酒を審査する「えひめSAKE with FOOD」

愛媛県産ブランド食材に合う愛媛の地酒を審査する「えひめSAKE with FOOD」

愛媛県産ブランド食材に合う愛媛の地酒を審査する「えひめSAKE with FOOD」

 県酒造組合理事長として2017年、県産ブランド食材に合う愛媛の地酒を審査する「えひめSAKE with FOOD」を開催した。愛媛のブランド産品である「愛媛あかね和牛」「媛っこ地鶏」「マハタ」の3部門に17蔵元が48点の酒を出品し、出来栄えを競った。食材との相性を図り、マッチングさせることで、より消費者への訴求力を高める狙いがある。

 在日外国人の審査員も加わってもらった。インバウンドを意識したのだ。越智さんは「海外に通じた伝道師が大切。外国人の飲み手、情報発信できる人を育てていくことも重要だ」と考える。

 

【酒蔵を海外への情報発信拠点に】

 愛媛には日本酒、焼酎を含めて42の蔵元がある。そのほとんどは小規模。「酒造り」が第一義の酒蔵にとってインバウンド対応は、大きな負担となりかねない。多言語対応、試飲や販売所の新設、応対する社員の育成・確保、訪問客のアクセスなど、課題は多い。

 外国を旅した時、人と出会い、生産の過程や歴史を知り、風景や空気に触れた体験は、旅のストーリーとなって深く刻み込まれる。近年は、その情報がネットを通じて全世界へと拡散される。「酒蔵」は海外に向けた情報発信の拠点となりうる存在だ。

 

「点」としてスタートを切った酒蔵の取り組み。点と点を結び、さらに地域文化、食材、郷土料理を含めた面へと拡大していく「酒蔵ツーリズム」は、インバウンドの受け皿、日本人も含めた新たなアクティビティにつながる可能性を持つ。蔵元を核とした、持続的で複合的な取り組みが「愛媛」を世界に売り出せるかどうかのカギとなる。

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