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障害者アスリートの素顔

[3]バレーボール・佐々木知重選手 周囲に感謝 プレー笑顔

2017年10月26日(木)(愛媛新聞)

大会直前の練習でサーブを打つ佐々木知重主将=22日午前、八幡浜市北浜1丁目

大会直前の練習でサーブを打つ佐々木知重主将=22日午前、八幡浜市北浜1丁目

 大会まで1週間に迫った日曜日。精神障害者バレーボール愛媛選抜チームの佐々木知重主将(37)=八幡浜市=は、八幡浜市の体育館で本番に向けた最後の練習に励んでいた。長身のアタッカーと息を合わせ、狙った場所に素早くトスを上げる。失敗しても「ドンマイ、もう一本」。高らかな声でチームメートを鼓舞した。

 中学時代の選手経験を生かし、セッターを務めている。数年前までは障害者の交流促進を図る地域活動支援センターで楽しむ程度だったが、腕を見込まれて選抜入りした。「勝ちを目指すバレーは楽しい」とアスリートの顔をのぞかせる。

 高校卒業後、18歳で統合失調症という精神疾患の診断を受けた。実際にはない物が見えたり声が聞こえたりする幻覚症状が特徴で「家にいても盗撮や盗聴をされていると感じてしまう」。薬で症状は抑えられるが、副作用で手が震え、ろれつが回らなくなる。落ち着きがなくなり、会話中も歩き回りたい衝動に駆られる。「副作用がつらくて薬をやめたかった。でも、やめれば幻覚が出てしまう…」。そんな苦しみが何年も続き、仕事も転々とした。

 「障害者という診断が悔しくて納得できなかった。正直、今も完全には受け入れられていない」と複雑な心中を明かした。

 薬の改良に伴い、副作用は軽くなった。現在は週4日、八幡浜市の多機能型事業所で洗濯の仕事に従事し、一般企業での就職を目指している。職場では「介護職に向いている」と勧められ、新たな目標もできた。「バレーでも仕事でも、十分なケアが受けられている。居心地がいい場所」と感謝する。

 笑顔でバレーに取り組めるのは、周囲の温かいサポートがあるからだ。八幡浜市では、ボランティア団体などが応援プロジェクト「みんなでもり上げる会」を立ち上げ、チラシを配って大会の周知や観戦を呼びかけるなどチームを後押ししてくれる。佐々木主将は「皆さんに練習の成果を見てほしい。精神障害者でもいろんな可能性があると伝えたい」。支えてくれるスタッフや仲間とともに1勝を目指す。

 

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