裏方で支える人たち
<3>花いっぱい運動 生徒ら丹精 会場を彩る
2017年8月16日(水)(愛媛新聞)

愛媛国体の競技会場などに並べるベゴニアをプランターに植える松山城南高の生徒=7月20日、松山市北久米町

愛媛国体の競技会場などに並べるベゴニアをプランターに植える松山城南高の生徒=7月20日、松山市北久米町
じりじりと真夏の日差しが照りつける7月中旬、松山市北久米町の松山城南高校の校庭で、看護科の生徒25人がプランターと向かい合って汗を流していた。ベゴニアの苗を一つずつ手に取り、せっせと植えていく。生徒は額に汗を流しながら、うまく植えられると「きれいにできたね」と顔をほころばせた。
愛媛国体で来県する人たちを華やかに出迎えようと、県内の小中学校や高校、公民館などで飾り付けの花を育てる取り組みが進んでいる。県が用意したプランターは3万基以上。サルビアやニチニチソウ、マリーゴールドなどの花を1基に原則3~4株ずつ植えるため、10万株を超える花が、松山空港や県総合運動公園ニンジニアスタジアムなどに並ぶ。
花は、県内の農業高校などが今年5月ごろから栽培を始めた。育った苗を県内の学校など350カ所に配り、会期中に見頃を迎えるよう、現在も生徒や職員が手入れを続けている。本番で成功させるため、2014年から3回チャレンジし、改善点を検討してきた。
県とは別に各市町でも同様の取り組みが行われており、各競技会場に並ぶおもてなしの花づくりには大勢の県民が携わる。県は「64年ぶりに県内で開かれるスポーツの祭典。多くの人に役割を担ってもらい、スポーツに興味を持つきっかけにしてもらえれば」と期待を寄せる。
松山城南高生は約150基のプランターに苗を植えた。「自分を信じて、仲間を信じて頑張って」。それぞれの側面に運動部員が記した応援メッセージもある。同校1年女子生徒(15)は「花が咲くのがとても楽しみ」と笑顔。男子生徒(15)も「育てた花が並ぶ会場に行ってみたい」と開幕を心待ちにしている。