ふるまい料理特集 発信!弓削高校記者
芋菓子(上島町)
2017年8月11日(金)(愛媛新聞)
上島町岩城島名産の芋菓子は、添加物を一切使用しない昔ながらのシンプルな製法。サツマイモと砂糖の甘さのバランスが丁度良く、県内外から広く愛されている。軟式野球競技が行われるいきなスポレク公園で提供される予定だ。
タムラ食品の製造責任者・桑原亮さん(52)によると、岩城で作られるようになったのは約100年前。島は当時、サツマイモの産地で、傷みやすいイモの有効利用が考えられていた。そんな時、神戸生まれのイモの菓子を真似て作ったことから誕生したという。30軒ほどあったメーカーは、時代の流れによって徐々に減少し、タムラ食品1軒になった。
現在の原料は、宮崎や鹿児島など九州産の「黄金千貫」。産地で細く切って油で揚げてから島に運び、2度揚げした後、水溶きの砂糖をからめて乾燥させる。砂糖をからめるタイミングや揚げ方の工夫で、こんがりとした独自の黄金色と固すぎず柔らかすぎない食感が出る。寒い時期は砂糖を濃くするこだわりだ。桑原さんは「この味はオートメーションではできない。小企業ならではの努力で残したい」と胸を張る。

弓削高校生記者

弓削高校生記者
【目線】
桑原さんの温かい人柄や芋菓子に対する情熱を聞いて、とても楽しく勉強になる取材が出来た。企業が、芋菓子一筋で100年も愛され続けているのは、すごいと思う。作り手のこだわりの思いを伝え、食べてもらえる記事を届けたい(Y)。