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[E4巻頭特集]新規就農に取り組む若者たち

<上>テレファームがめざす、新たな「農業」のカタチ

2017年7月1日(土)(愛媛新聞E4編集係)

 

個性あふれる若手社員の皆さん

個性あふれる若手社員の皆さん

個性あふれる若手社員の皆さん

個性あふれる若手社員の皆さん

 

 乗用車1台、通るのがやっとの道を抜けた。大洲市の山間部に広がる畑で、若者たちがジャガイモの収穫に精を出していた。農業生産・システム運営会社テレファーム(大洲市)の農園では、平均年齢約30歳の社員たちが働く。6月中旬、「梅雨入りしたのに雨が…」とやきもきしながらも、ハート型のジャガイモを見つけ、みんなで写真撮影。早速、SNSにアップする。現代の若者の気質と農業がマッチした光景だ。

 

 「農業を元気にしたい。農村地域を活性化したい」。同社の遠藤忍社長(47)は2007年、テレファームを立ち上げた。農村の過疎・高齢化、若者の都市部への流出、後継者不足が連鎖し、農地の荒廃が進んでいる。負のサイクルを断ち切りたいとの思いがある。

 

 

 

 農林水産省の統計によると、愛媛県内の農業就業人口は1975年の約17万人から、2015年には約4万人に減少し、60歳以上の割合は約35%から約80%に増加した。耕作放棄地も県内で約1万ha、2015年の耕作放棄地率は24.6%(全国平均12.1%)に上る。

 

 遠藤社長は「とにかく新規就農者を増やしたい。しかし、農地もお金もとても借りづらく、大きな壁となっている。若者で農業をしたい人は潜在的に多い。その受け皿が整っていない」と指摘する。10年前のスタート時、農地の確保に苦労し、耕作放棄地を再生するため、草木の除去や石拾いに汗を流した。クラウドファンディングも活用した。やっとの思いで新規就農のスタートラインに立った自身の経験が、「大きな壁」に挑む礎となった。

 

 テレファームは現在、伊予市と大洲市で約7ヘクタールの農地を借り受け、約30人が働く。2年間の農業研修生を募集し、県内だけでなく、県外からも「農業がしたい」と集まってきたのは、20代~40代の人たち。それぞれに思いがある。

 

今春、松山大学経済学部を卒業した上甲幸乃さん(22)。旅行会社や広告会社などへ就職活動し、内定ももらった。「やりたいことは何だろう。何か違うのではないか」。自分を見つめ直す中で、同社の募集を知り「これだと直感した」。実家は農家。農業の大変さは知っている。日焼けも気になる。それでも愛媛でみかん農家を営む実家に誇りを感じ、農業を自分の手で何とかしたいという思いは強い。

 

上甲幸乃さん

上甲幸乃さん

上甲幸乃さん

上甲幸乃さん

 

 旅行で訪れた愛媛の景色や人に惚れ込んだという斉藤穂さん(21)は、自衛隊から転職し、青森から移住してきた。「外で働き、野菜を育てるのは楽しい。将来のことはまだまだこれからだが、愛媛に住み続けたい」と話す。

 

広島で電気関係の仕事をしていた愛南町出身の池田啓司さん(47)は、「南予を日本一、障がい者や高齢者が過ごしやすい地域にしたい」と夢を語る。家族を残し単身で農業を学ぶ。10年近く林業をしていた片神芳広さん(29)は、野菜の日当たりを確保するため、雑木林の伐採をするなど、技術を生かす。「頑張ったら頑張った分、野菜は応えてくれる」と笑顔を見せる。

ほかにも「東京大学卒のモンゴル出身」や「司法試験志望から農家志望に転換した」という若者も。育ってきた環境も、性別も、経歴も、異なる若者が集う。研修期間中は、同社から年300万円が支給され、農業のノウハウを学ぶ。その後は、指導係や運営側として会社に残るか、独立農家になる道を進むことになる。

 

 

<下>テレファームがめざす、新たな「農業」のカタチ 新規就農に取り組む若者たち】に続く

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