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少子化、強まる競争

浪人生サポート、特色出す予備校

2017年6月14日(水)(愛媛新聞)

fitで朝テストに励む浪人生=5月、松山市大街道2丁目

fitで朝テストに励む浪人生=5月、松山市大街道2丁目

【医学部に特化/担任が生活把握】

 高校を卒業し、大学入試に再チャレンジする浪人生にとって、どこでどのように学ぶかは大きな問題。愛媛の場合、親元を離れ県外の予備校で学ぶケースが多いが、医学部に特化し全国展開している予備校や、生活面でもサポートする地元予備校など、県内での選択の幅も広がっている。

 

 県教育委員会高校教育課によると、2016年春の県内高校卒業者のうち52・2%が現役合格して大学・短大に進んだ。翌年、受験に再挑戦した既卒者の数は把握していないという。

 松山市のある県立高の進路指導担当者は「県内に(既卒者対応の)予備校が少ないため、浪人した生徒の約9割は高松市や広島市など県外の予備校に行く」と話す。年によって変動が大きいものの、卒業生の2割前後は浪人するという。

 1月、全国22カ所に教室を持つ医系専門予備校「メディカルラボ」(本部・名古屋市)が、四国で初めて松山市に進出した。松山校の校舎長・大内義博さん(44)は「1浪、2浪してでも医学部に行きたいというニーズは少なからずある。松山は学習への意識が高い土地柄の一方で、予備校が少なかった」と話す。

 一人一人の個性、弱点に合わせたカリキュラム作成や、専門講師による一対一の授業を取り入れていることが特長という。現在25人ほどが学び、うち既卒者は約3割。寮もあるが、ほとんどが松山市や周辺市町から通う。県外の予備校で寮生活をしていて、地元に戻ってきた生徒もいる。

 大内さんは、向き不向きはあるとした上で、「家族と一緒に住めるという点で、自宅から予備校に通うメリットは大きい」と指摘。学習だけに集中でき、家族の支えが精神的な安定にもつながるからだ。

 「医学部入試では、出題傾向、得点比率などが大学ごとに異なる。正確に情報を把握し、準備することが合格の一つの要素」と説く。全国規模の予備校は、各地の大学の情報を共有できているのが強みという。

 少子化で予備校間の競争は激しくなっている。大内さんは「18年以降、18歳以下の人数が大きく減少に転じる。競争はさらに強まるだろう」とみる。

 松山市の「fit」は、最高経営責任者(CEO)の田尾昭憲さん(41)が04年に地元の高校生と立ち上げた異色の総合予備校。県外からの松山進出など他校の動きについて、田尾さんは「あまり意識していない。目の前の生徒をよく見れば、彼らに何が必要か見えるはず」と冷静だ。

 スタッフの8割以上が自校の元生徒。高校の校風や勉強のやり方などが肌感覚で分かり、的確なアドバイスができるという。現在、既卒者は約60人が学び、その3分の2が市内在住だ。やはり、県外の予備校から転入するケースもある。

 「現役生は高校の先生が面倒を見てくれるが、浪人生は誰も見てくれない」と田尾さん。面倒見のよさが特長で、既卒者には担任がつき、その日の授業や勉強内容、生活全般について記す「あゆみ」を毎日提出させ、体調の変化や悩みなどを細かく把握してサポートする。「(人に)見られている」ことが必要だと感じている。

 県内の高校ともつながりができ、「地元のことが分かる強みを生かす。今後もアットホームで少人数の予備校でしかできないことをやり続ける」と腰を据えている。

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