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厚労省審議会委員が講演

差別解消法施行1年、障害者が安心できる社会に

2017年5月11日(木)(愛媛新聞)

「障害者が地域にたくさん暮らしていることを知ってほしい」と話す野沢和弘さん=4月26日、四国中央市三島中央5丁目

「障害者が地域にたくさん暮らしていることを知ってほしい」と話す野沢和弘さん=4月26日、四国中央市三島中央5丁目

 障害者差別解消法の施行から1年。四国中央市三島中央5丁目の四国中央署で警察職員向けの講演会がこのほどあり、厚生労働省の社会保障審議会障害者部会委員を務める野沢和弘さん(57)=毎日新聞社論説委員=が、地域で安心して暮らせる環境づくりに向け警察や福祉、教育機関などの連携が重要と訴えた。市自立支援協議会権利擁護部会が主催。要旨を紹介する。

 障害者への虐待は昔からあったが1990年代以降各地で表面化し、権利擁護を目的とする障害者虐待防止法などの法が整備されてきた。自己選択・決定の理念から家族だけが背負うのではなく、地域で自由に暮らしていこうとの流れになってきている。

 コミュニケーションの難しさもあり、障害者の虐待被害はなかなか明るみに出なかった。被害に遭ったことを口に出せなかったり、つけ込まれやすかったりすることもある。ただ自分の体に何が起きているか判断できなかったとしても、苦痛や屈辱を感じている。嫌だという感情を言葉ではなく行動で示す場合もあるので、表面上の行動だけにとらわれないでほしい。

 障害者は被害に遭いやすい一方で、トラブルを起こしたり加害者になったりするケースがまれにある。問題を誘発するのは社会的な孤立やストレスからの逃避、情緒的つながりの欠如などだ。

 ただし罪を犯したからと単に罰を与えるだけでは、被害者らの処罰感情を満たしたとしても本人の更生や社会の安全にはつながらない。治療や働く環境づくりなどの支援が不可欠だ。

 英国では福祉と司法が一緒にトラブルに対処し、警察の事情聴取や取り調べに付添人が同席する。オーストラリアでは障害や認知症の場合、一般の刑事裁判から分離し更生や福祉的支援を優先させている。

 過去には障害のある青年が路上で警察官に押さえ付けられ死亡した事件もあった。地域には、障害のある人がたくさん暮らしているとまず理解しておく必要がある。一人の市民として安全に暮らせるよう、警察や福祉、教育機関などが連携し、社会で包み込んでサポートしてほしい。

 

 【障害者差別解消法】障害を理由とした不当な差別の禁止を目的に、2016年4月に施行。障害がある人に向け、費用や人手が負担になり過ぎない範囲での設備整備やサービス提供など「合理的配慮」を国や自治体に義務付け、民間事業者には努力を求めている。

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