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[E4巻頭特集]

<上>「変わる、変える!働き方」県内先進企業の取り組み

2017年5月1日(月)(愛媛新聞E4編集係)

 「働き方」を取り巻く状況が大きく変化している。高度経済成長期の1970年代、朝から深夜まで猛烈に働く会社員を称した「モーレツ社員」、バブル経済期の1980年代には「24時間戦えますか」というキャッチコピーのCMがテレビで流れ、「企業戦士」という言葉も。しかし、流れは変わってきた。

 

 長時間労働や過労死、自殺、サービス残業、ブラック企業が社会問題化。仕事一辺倒から、仕事と生活を両立させる「ワーク・ライフ・バランス」が重要視されるようになった。政府も「働き方改革」を推進する。ワークスタイルの変革に企業はどう取り組むのか。「働きやすい職場」を目指した県内企業の先進的取り組みをリポートする。

 

【「制度だけではダメ。環境整備は会社の役割」】

 「働きやきやすい職場は結果的に社の利益にもなる。売り手市場の中で優秀な人材を確保するためにも、社員のためにも魅力的な会社であり続けたい」とコンピューターシステム開発のパルソフトウェアサービス(松山市)の大西雅人社長。仕事と子育ての両立への取り組みや、男性社員の育休取得の実績などが評価され2015年11月、愛媛県などから「えひめ子育て応援ゴールド企業」の第1号に認定された企業だ。

 

パルソフトウェアサービス (左)大西社長と東灘さん

パルソフトウェアサービス (左)大西社長と東灘さん

パルソフトウェアサービス (左)大西社長と東灘さん

パルソフトウェアサービス (左)大西社長と東灘さん

 

 「育児休業制度」や子どもが小学校就学まで利用可能な「育児短時間勤務制度」など、法律で規定された制度は多くの企業が採用済み。大西社長は「制度があるだけではダメで、社員が制度を使いやすい環境にするのが会社の役割」と指摘する。

 「一般的には、育休取得者はキャリアパスとして不利になりがち」(大西社長)だが、同社はフレックスタイム制度や時短勤務制度を利用しながら段階的に職場復帰してもらい、人事評価も「育休=マイナス評価」にならないように配慮する。社内でのカバー体制も整備した。5~6人のチームで休業社員が生じた場合、会社が本人やメンバーに聞き取りしながら休業中の仕事に不備が生じないよう調整し、社員の負担が極端に増加しないように気を配る。

仕事と育児が両立できる細やかなフォロー体制があってこそ、制度が生かされる。3度育休を取得した総務部の東灘真希さんは「最初の育休取得の際は申し訳なさや不安もあったが、会社が休業前後の環境を整えてくれ、上司や同僚も背中を押してくれて快く制度を利用できた」と笑顔を見せる。

 

 週に2日(水曜日と金曜日)はノー残業デーを設定する。役職者は率先的に定時で帰り、若手社員も帰りやすい雰囲気を醸成。大西社長は「ただ早く帰るということだけでなく、帰るためにどうスケジュール調整するかなど社員のマネジメント能力が養われる」と意義を話す。

 大西社長は「学生が企業を選ぶ上で以前は企業業績や給与面などを優先していたが、近年は福利厚生や残業時間などを重要視してきている。それは採用活動を通じて感じる。金融機関も融資を検討する際、財務状況などと併せて社員の健康づくりに向けた施策を評価対象としており経営的にも大切」と働きやすい企業にすることの重要性を強調する。

 

【会社選びのポイントは「社内の雰囲気がよい」】

 「どのような企業に魅力を感じるか」の質問に85・6%の大学生が「社内の雰囲気がよい」と回答した(複数回答)。新卒採用サイトを運営するi-plug(大阪市)が2017年1月、就職活動を目前にした大学3年生対象の「働き方」に関する意識調査を実施。「給与が高い」(55.0%)や「将来性がある」(55.2%)を大きく上回った。「産休育休後の復職率」は35.6%で、同社は「回答しているのは女性のみと考えられ、換算すると71・2%という高い割合になる」と分析。

 

働き方アンケート(i-plug調べ)

働き方アンケート(i-plug調べ)

働き方アンケート(i-plug調べ)

働き方アンケート(i-plug調べ)

 

 「働き方について気にしているポイント」(複数回答)では、(1)長時間労働やサービス残業があるか59.9%(2)ブラック企業かどうか56.5%(3)有給休暇が取得しやすいか46.2%(4)結婚後の待遇、働き方を考慮してくれるか44.0%、が上位を占める。

 理由には「仕事は賃金を得るための手段。プライベートや家族など、生活を犠牲にして働くことは避けたい」「趣味の時間がほしい」「オンオフのメリハリをつけて働きたい」「健康を保つためには仕事と休息のバランスが大切」「体を壊してまで働きたくない」などが挙げられる。高度経済成長期やバブル経済期とは「働き方」への意識が、若者から変革している。

 同社は調査結果を踏まえ「採用する企業側は、社員が働きやすい環境、活躍できる仕事、そのための採用・配置・教育・制度など、社員に定着してもらうための変革が求められていくと予想される」と分析している。

 

【<下>「変わる、変える!働き方」 県内先進企業の取り組み】 に続く

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