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個展「風の伝言を彫る」から 版画家 名嘉睦稔

<2>「新居浜太鼓祭り」 金竜の群れ生き生きと

2017年4月21日(金)(愛媛新聞)

「新居浜太鼓祭り」(2017年)

「新居浜太鼓祭り」(2017年)

 遠く聞こえる太鼓の音と、ざわつく人々の動きとで探し当てた太鼓台、その迫力に圧倒された。高鳴る胸のまま、太鼓台に付いて回るのも実に楽しかった。

 飾り幕の豪華さにも驚かされた。立体刺しゅうに感動はさらに増した。あばれ出ようとする竜を、やっとの思いで閉じ込めているといった趣だ。金竜がいまにも躍り出てくるのではないかと思うほど、生き生きとしていた。

 だいたいにおいて私は、感動の唯中にいる内には、絵が思うように描けない。混乱が納まるまでしばらくかかるのだ。

 画想は燃え盛る炎の中で、ぬたくる金竜の群れだった。あれだけいる人間の数を海に例えるならば、かき夫衆は一律の波となるわけだが、その波に飛び込んでは上昇する幾つもの竜です。神社の境内の暗がりにもひそむ神獣がいたとして、これも人波を蹴散らして登場し、祭りはいよいよ「ハレ」に極まる。いつしか太鼓の音が律動的な心臓の音と合わさり、奮い立つ本能の心に届くような気になるのだった。

 しかし私の画想は、このたびもかくのごとく氾濫して、少しもくむことができなかった。後に流れ来る時間の内に、絵になり出現することを願うしかない。

 新居浜の太鼓祭りは、聞きしに勝るものだった。「男祭り」の根にある尊さに触れた思いだ。

    ×   ×

 「名嘉睦稔展―風の伝言(イアイ)を彫る」は、松山市堀之内の県美術館で5月7日まで開かれている。

 

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