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カベの向こうに~私を変えたこのスポーツ~

<7>サッカー えひめi select 

2017年3月14日(火)(愛媛新聞)

コーンの間をジグザグにドリブルする「えひめi select」のメンバー=4日、松山市道後一万の県身体障がい者福祉センター体育館

コーンの間をジグザグにドリブルする「えひめi select」のメンバー=4日、松山市道後一万の県身体障がい者福祉センター体育館

 「えひめi select(アイセレクト)」は知的障害のある10~40代の約20人で構成されるサッカーの愛媛選抜チームだ。「i」は共生を意味するインクルーシブの頭文字。県内で10月に開かれる全国障害者スポーツ大会に向けて2014年に発足。土日に県内各地で練習し「感動を呼ぶサッカー」を目指し汗を流している。

 チーム最年長の大野智彦さん(43)はムードメーカー的存在。若い選手と一緒の走り込みでは「もう駄目!」と弱音を吐きながらも、懸命に駆ける。選手はもちろん、見学の保護者や監督・スタッフから「頑張って」と掛け声が飛ぶ。

 「ナイスパス」「周りを見て」―。積極的に声を出し仲間を鼓舞するのは、キャプテンの大塚秀成さん(20)。県サッカー協会が毎年選出するインクルーシブ部門の優秀選手に2年連続で選ばれた。「(知的障害者サッカーの)日本代表に入りたい」と夢を明かす。

 「名前を呼びパスをもらおう」「考えて動いて」と時に厳しく時に笑いを交え、菅英希監督(31)から指示が飛ぶ。

 メンバーは基礎練習で、「考えること」を徹底して学ぶ。6人一組で行うボール回し。攻撃側の4人は、守備側の2人の動きを見て移動し、パスをつなげる。ボールを持っていないときの位置取りや最初のボールタッチが重要。菅監督は粘り強く練習の意図を説く。「もっと分かりやすい教え方はないか。いつも試行錯誤している」

 練習を繰り返す中で、互いに話し合い、共通理解を図る姿勢が増えた。競技外でも、保護者に送迎されていた選手が、1人でバスを使い練習に来られるようになった例がある。こうした成長に保護者は目を細める。

 一方、悩みの種は県内に対戦できるチームが少なく、実戦経験が積みにくいこと。現在は親交のある中学生のクラブチームなどに声を掛け、練習試合を組んでいる。これまで中四国ブロックで10試合ほど公式戦を行ったが、勝ち星は一つ。

 厳しい成績を踏まえ、菅監督は「大会での1勝は難しいかもしれないが、見る人の感動を呼ぶ懸命なプレーを目指したい」と目標を語る。

 現在、サッカー部のある特別支援学校は今治のみで、菅監督は在学中や卒業後も競技ができるように整備されることを望む。「今大会を環境づくりが進む契機にしたい」と前を見据えた。

 

 【メモ】10月の全国障害者スポーツ大会では北条スポーツセンター球技場・陸上競技場(松山市大浦)が会場となる。開催地の愛媛と各ブロック予選を勝ち抜いた計7チームがトーナメント戦を行う。参加資格は知的障害の13歳以上の男女。ルールは一般のサッカーと同じ。前後半は30分ずつ。

 県内では、一般参加可能の練習会が開かれている。詳しくは県サッカー協会ホームページ(http://www.efa.jp/meeting/handicap/)で。

 

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