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俳句甲子園 20年のキセキ

NPO法人俳句甲子園実行委員会 岡本治事務局長

2017年1月1日(日)(愛媛新聞)

 

1998年、松山大カルフールホール

1998年、松山大カルフールホール

2005年、県武道館

2005年、県武道館

2009年、大街道商店街

2009年、大街道商店街

2011年、松山市総合コミュニティセンター

2011年、松山市総合コミュニティセンター

2014年、大街道商店街

2014年、大街道商店街

【勝敗決める矛盾魅力】NPO法人俳句甲子園実行委員会 岡本治事務局長(50)

 俳句甲子園は1998年、松山青年会議所(松山JC)の事業として逆風の中、立ち上がった。松山JC時代に第4回から関わり、昨年まで実行委員会会長を務めた岡本治さんに、成長の理由や目標を聞いた。

 ―始めたきっかけは。

 俳句甲子園の構想を温めていたのは、俳人夏井いつきさんら当時の「子規新報」(月刊俳句新聞)を中心とした俳句関係者の方たち。一方、松山JCは文化事業として長年実施していた「句碑めぐり」に代わる事業を検討していた。夏井さんと97年に出会った。俳句甲子園の構想は94年ごろからあったようだが、何度か頓挫していた。構想はあっても受け皿が見つからない夏井さん側と、やる事業を探していた松山JCとがうまくマッチした。

 ―立ち上げ時、さまざまな苦労があった。

 参加校を集めるのが大変だった。第1回は9校参加したが、創設した先輩らが県内全校を足で回りお願いした。運営資金が乏しく、会場を借りるお金もない。最終的には元松山大学長の故宮崎満氏の協力により、同大カルフールホール(松山市文京町)を無料で借りることができた。

 俳人、俳句関係者の協力が必要な大会だが、県内で協力者が非常に少なかった。立ち上げるのが松山JCの30代の若者で、参加するのは高校生。「俳句を競うなんてこと自体、俳句をばかにしている」となかなか認めてもらえない。大会を重ねるにつれ理解が広がり、今は現代俳句協会、俳人協会、日本伝統俳句協会などの協力で県内外の俳人らが参加してくださり感謝している。全国大会で約60人、地方大会で延べ約140人が審査員を務めている。否定的な意見はまだ残ってはいるが、大会当初と状況は大きく変わった。

 ―運営主体が松山JCからNPO法人に移った。

 松山市が共催としてやっと第4回から関わっていただいて、組織が大きくなり松山JCだけの運営では間に合わなくなった。第6回のときに実行委員会をつくり、その後NPO法人化。第11回大会から主催がNPO法人に移行した。40歳を超え松山JCを卒業したOBたちが中心で俳句関係者、一般のボランティアも運営に加わった。俳句甲子園の出場者らでつくるOBOG会もでき、大学生らが手弁当で集まりスタッフとして応援してくれるようになった。俳句甲子園が好きな人間のかたまりで運営している。

 ―ここまで継続し成長できた理由は。

 俳句甲子園の目的を大きく分けると三つある。松山JCは俳句というよりも教育、青少年育成の場としている。夏井さんは俳句の種まきをし俳句文化を広げたいという思い。特に行政やボランティアの人たちは、俳都松山のまちづくりをしたい。これらを無理に一本化しなかったことが良かった。それぞれの思うかかわり方でいいと思っている。

 大会については対戦形式が魅力的なんだと思う。俳句で勝ち負けをつけるというのが純粋に面白い。これが当初から一番批判を受けるところだが、高校生が俳句を始めるのに面白くなければ参加してもらえない。俳句に優劣をつけるというのがおかしいのは当然で、審査員によって優劣は変わる。競り合ってたら本当はどっちの句が良かったのかわからない。スポーツのようには勝ち負けがはっきりしない対戦で、勝敗を決める矛盾が魅力になっている。当初はディベートで相手の揚げ足を取ったり非難したりする場面があったが、鑑賞力の競争というのが理解されてきた。参加する学校が僕らの考えた以上のスピードで成長し、俳句甲子園を濃いものに育ててくれた。

 ―第20回になる。目標は。

 今年は20回の記念大会で、子規・漱石生誕150年にも当たる。全国大会の出場校数を36から40チームに増やすつもりだ。今後も全国各地から参加校を増やしたいという思いがあるが、地方予選の会場運営の問題も出てくる。まだまだ悩みばっかりだ。

 長期目標でいえば俳句甲子園を100年続けることを掲げている。今年から日野裕士君が実行委員会会長に就任した。20年目にして初めて松山JCのOBではなく一般からトップに立つ。これから大会を続けていく上で、大きな意味がある。将来的には俳句甲子園のOBOGが、運営を引き継いでくれることを願っている。

 

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