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国体から芽吹く 愛媛開催まで1年

<4>地域が自信持つ契機 開催後のビジョン必要

2016年10月3日(月)(愛媛新聞)

国体後の成功事例について語るびわこ成蹊スポーツ大の吉田政幸准教授=9月13日、京都市

国体後の成功事例について語るびわこ成蹊スポーツ大の吉田政幸准教授=9月13日、京都市

 2024年に国体を予定する滋賀県の委託で、開催後にスポーツが定着し地域活性化に結び付いた全国の事例を調査したびわこ成蹊スポーツ大の吉田政幸准教授に成功例から見える国体開催の意義を聞いた。

 ―国体開催の意義は。

 地方から人口が流出する中、国体は地域に自信を持たせるきっかけになる。世界大会を誘致すれば「自分のまちで見られるのか」と住民に刺激を与える。開催がゴールではなく「この競技で地域を元気にする」という共通ビジョンを持って取り組んでほしい。

 ―スポーツ振興、地域活性化につながりやすい競技や地域の特徴は。

 国体開催地は競技施設や交通インフラ、住民のスポーツ参加、選手の育成システムなど後世に継承されるレガシー(遺産)をいかに残すかが問われる。

 (滋賀を除く)全国46都道府県と各体育協会に行ったアンケートでは競技人口が比較的少ないホッケーやボート、カヌーなどが「最も成功した競技」の上位を占めた。マイナーな競技ほど地元から全国に通用する選手が生まれやすく住民が希望を持てる。

 ―具体的な成功事例は。

 04年の国体で「山岳」を実施した埼玉県加須市は、翌年からジャパンカップ、ワールドカップを立て続けに開催。市が「クライミングのまち」と銘打つまでになった。国体前から次のイベントを仕掛け、同時に地元の大会を全国規模に発展させていった。

 施設整備は巨額の資金を要するため住民は国体後の運用にも関心が高い。加須市は国体開催の内定直後に民間の協力でクラブを設立し市民向けの教室を開催。日常的に施設を活用できる仕組みをつくった。

 一方、伝統的な競技での成功事例もある。1978年の長野国体で相撲を実施した長野県木曽町は全ての小学校に土俵を作り児童が参加する相撲大会を今でも開催している。お年寄りも喜んで観戦し、地域が一つになれる。礼儀を重んじる相撲や武道などは教育機関との連携が取りやすいという利点もある。

 ―レガシーを形成するために必要なことは。

 競技を根付かせるには行政や団体、学校、民間などの調整役となる絶対的なリーダーが最も重要。国体後の大会誘致や施設利用のビジョンを国体前から示すことも非常に大切だ。加須市のようにイベント運営にたけた民間人を競技団体などに起用するといった多様性も必要ではないか。

 国体に出場したり運営に関わったりした子どもたちが将来、指導者として地元に帰ってくる事例もある。部活動の強化に加え「まちの看板スポーツ」として体育に導入するなど学校との連携が欠かせない。

 【よしだ・まさゆき】

 1979年新潟県柏崎市生まれ。筑波大大学院修士課程修了。米フロリダ州立大博士課程修了。びわこ成蹊スポーツ大講師を経て2013年准教授。日本スポーツマネジメント学会運営委員。

 

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