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カベの向こうに~私を変えたこのスポーツ~

<3>車いすツインバスケ 清水芳寛さん(37)=今治市

2015年2月5日(木)(愛媛新聞)

チームの練習で、高さ1・2メートルのゴールに狙いを定めシュートする清水さん=1月31日、今治市喜田村2丁目

チームの練習で、高さ1・2メートルのゴールに狙いを定めシュートする清水さん=1月31日、今治市喜田村2丁目

 車いすを操りながら、巧みにパスをつなぐ選手たち。放ったボールがリングを通過すると、「ナイスシュート!」の声が響いた。

 車いすツインバスケットボール(ツインバスケ)チーム「愛媛エンジェルス」に所属する会社員清水芳寛さん(37)=今治市玉川町法界寺=は競技歴約15年のベテラン選手。プレーと裏方の両面でチームを支える存在だ。

 「ゲームが好きな普通の少年だった」という清水さん。高校2年の時、学校のプールに飛び込んで首を打ち、頸椎(けいつい)を損傷した。約2年半の入院生活を送りリハビリに取り組んだものの、胸から下と腕や指の一部にまひが残ったまま退院の日を迎えた。「自分は一生このままなのか」と初めて気付き、途方に暮れた。

 そんなとき、障害者文化体育施設の職員から紹介されたのがツインバスケだった。一般的なゴール(高さ3・05メートル)に加えて、フリースローサークル内に1・2メートルのゴールが設けられ、上肢に障害がある人もゲームに参加できるのが特徴。また障害の重さによって「持ち点」が設定されており、重度の障害者がいないとチーム編成ができないルールになっている。「自分が必要とされているようで、うれしかった。居場所を見つけたと思った」。以来、在宅でホームページ作成などの仕事に励む傍ら、ツインバスケに情熱を傾ける日々が続いている。

 愛媛エンジェルスは東予や中予を拠点に活動する県内唯一のツインバスケチームで、年齢も障害の程度も異なる10人余りが所属している。週1回、4時間ほどの練習はターンなどの基礎練習から試合形式まで、密度の濃いトレーニングが続く。

 「今のは自分でいけるやろ」「1対1で負けとる」。普段は冗談の飛び交う明るいチームだが、昨年11月下旬の練習ではぴりぴりした空気が漂っていた。全国大会の近畿中四国予選が翌週に迫っていたからだ。「言い合いもするけど、根は仲がいいんですよ」。この日、選手が何度も輪になって戦法やフォーメーションについて意見をぶつけ合った。

 予選は1回戦で敗退。「悔しいけれど、見つかった課題を克服して次につなげたい」と前を向いた。

 「障害者やツインバスケのことについて知ってほしい」との思いから、小学校などでの講演の依頼も快く引き受ける。障害を負った当時のことや、普段の生活について話すのが中心だが「最終的に伝えたいのは、障害者も健常者も同じ」ということだ。

 「僕たち(障害者)が人の手を借りるのは、例えば背の低い人が高い場所にあるものを取るために、誰かに助けてもらうのと同じこと。誰にだって、できることとできないことがあるでしょ」

 現在は公私ともに充実しているという清水さん。今後は「ツインバスケで全国優勝したいし、普及にも取り組みたい。結婚もしてみたいかな」。あふれるバイタリティーをエンジンに、前へ前へと歩み続ける。

 

 【メモ】愛媛エンジェルスの練習は毎週土曜日の午後に4時間程度。週により場所と時間が異なる。主な練習場所は新居浜市総合福祉センター(新居浜市市高木町)、サン・アビリティーズ今治(今治市喜田村2丁目)、県身体障害者福祉センター(松山市道後町2丁目)。選手やマネジャーを募集している。詳しくは愛媛エンジェルスのホームページ(http://ehime-angels.boy.jp/)で。

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