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愛媛県警捜査費不正支出問題
2006/02/23付愛媛新聞
愛媛と逆手法奏功 高知県警捜査報償費特別監査 「1対1」で聞き取り調査 捜査員の本音引き出す
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高知県警の特別監査で、約1790万円を不適正支出とした監査結果をまとめ会見する奴田原代表監査委員=22日午後1時ごろ、高知県庁
 捜査報償費執行額のうち約三割の千七百九十万円が不適正支出―。二十二日に結果が出た高知県警に対する特別監査。愛媛の特別監査を「反面教師」と考えた高知県監査委員は、捜査員の本音を聞き出し、実効性のある監査につなげた。

 愛媛では、監査委員が「捜査員の事情聴取で内部告発があったとしても、報告書には実名で書かざるを得ない」との方針を表明し、捜査員が自由に証言できない雰囲気をつくった。さらに会計課員らが立ち会い、捜査員からの実のある証言は得られなかった。捜査費を執行した店舗の調査もごく一部にとどまった。
  一方、高知では捜査員の保護を最重要視。聞き取り調査では、捜査員や幹部計三百六十二人の全員と一対一で面談した。県警の監視を排除するため、聴取は県庁舎で、机の配置も「ハ」の字にし、親近感を持って話せるよう環境も整えた。聴取前には「一切口外しない」と声を掛け、信頼関係を構築することで、捜査員の本音を聞き出すことに成功した。
  「私的な飲食の領収書を使って、協力者との接触費であるようにつじつまを合わせた」「支払書類の印鑑は自分のものではない」「(不正支出は)警察では珍しいことではない」「金に関しては上の者しか分からない」。県警の不正は次々に明るみになった。
  書類上、出張先で捜査費を執行していた捜査員が出張自体を否定し、カラ出張による不適正支出も明らかになった。
  協力者との接触場所となった店舗の調査では「執行日前に移転していた」「執行日は定休日だった」など矛盾が次々と発覚。「不正はない」と言い続けた県警の主張はもろくも崩れた。
  嵐護監査事務局長は「愛媛は捜査員や店舗の聞き取りが一部で、上司や会計職員の立ち会いもあった。高知はすべて逆をやっただけだ」と話す。皮肉にも、愛媛の手法が今回の高知の結果に結びついていた。

【「証言得る環境に差」 本県有識者ら】
  二十二日に高知県監査委員がまとめた報告書は、捜査員と一対一の聞き取り調査で幾多の不正証言を得るなど、捜査費の闇をえぐり出した。愛媛県内の有識者も「一定の真実に迫っている」と評価、内部職員を立ち会わせた愛媛の特別監査の信ぴょう性をあらためて問う声が上がった。
  「高知と比較すれば、愛媛の特別監査が適正かどうか」と疑問視するのは愛媛大法文学部の横山信二教授。高知県監査委員は聴取の際、場所を指定した上で上司らの立ち会いを拒否した。報告書で「聞き取り調査に負うところが大きかった」と振り返るように、捜査員の証言が不正認定の大きな根拠となった。横山教授も「内部の人間が立ち会えばこうした証言にはたどり着けなかっただろう」と話した。
  オンブズえひめ事務局長の今川正章弁護士は、北海道の特別監査も内部の立ち会いを認めなかったことを引き合いに、「結局、愛媛は前例を生かせなかった。高知との差はそこだろう」ときっぱり。「捜査員が自由に発言ができる環境で外部監査を再び実施する必要性がある」と指摘した。

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