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愛媛県警捜査費不正支出問題
2006/01/22付愛媛新聞
【牙城への一撃 県警捜査費・実名告発から1年】 (下) 提言  県民はもっと怒りを
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仙波さんを支える会が開いた報告集会で、元北海道警幹部の原田宏二さんの話に聞き入る市民=19日、松山市
 「現職」で誰も触れることができなかった警察の闇に、県警地域課の仙波敏郎巡査部長が一石を投じた二〇〇五年。NHK番組改編問題や耐震強度偽装事件など、内部告発をきっかけに表面化した社会問題が相次いだ。今年四月には、企業や官庁の不正を告発した人を守る「公益通報者保護法」が施行され、内部告発を生かして社会の正常化を図ることが、国民に課せられた責務となる。
  仙波さんに先駆けて北海道警の裏金問題を告発した元道警幹部の原田宏二さん。警察官OBや弁護士らでつくる「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の代表を務め、仙波さんを支えようと、この一年間に松山市を四回訪れた。
  「県警に期待しては駄目。警察に自浄能力はなく、調査の範囲を拡大しても、裏金の実態が明らかになることはない」。警察の内部調査には限界があることを市民に繰り返し訴え続けた。
  愛媛大法文学部の丹下晴喜助教授(社会政策)も「いくら県警や県公安委員会が『県民の目線で』と強調しても、実際は違う。第三者機関がチェックするしかない」と断言。泥棒が泥棒を捕まえるような調査は「誰からも受け入れられない」。
  警察を監督すべき公安委員会が機能しない今、やはり内部告発にかかる期待は大きい。雪印牛肉偽装事件やトナミ運輸ヤミカルテル事件などで内部告発者を取材したフリージャーナリスト、今西憲之さんは「徐々に意識が変わってきているとはいえ、まだまだ内部告発者を『密告者』や『裏切り者』とみる人が多い」と現状を分析する。
  その打開策の目玉が公益通報者保護法。生かすも殺すも市民次第で、丹下助教授は「市民が積極的に声を上げなければ組織は腐敗し、事なかれ主義がまん延する」と指摘。今西さんは「市民が告発者を守る環境づくりが必要。誰もが持っている正義感を正直に口に出せばいい」と意識改革を求める。
  北海道警は最終的に捜査費など国費と道費で計約九億六千万円を返還。原田さんの告発が大きな原動力となった。その原田さんは語気を強めて言う。「警察の裏金問題は、税金の使い道の問題だ。愛媛県民はもっと怒らないといけない」
  県警がこれまで実施してきた内部調査は、ささいなミスだけを小出しにしているようにも見える。これでは問題は長引くばかりで、県民の不信感は消えない。本来の警察業務に専念できるよう、早期に不正の実態を明らかにすることが、ひいては県民の利益につながることを肝に命じなければならない。
(県警不正経理取材班)
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