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| 捜査費問題の全容解明に消極的な発言も相次いだ県議会警察経済委員会=2005年7月 |
「仙波さんの告発で裏金問題の根深さは県民に浸透したが、真相解明が近いとはいえない。本来のチェック機能が働いていれば…」。県警地域課の仙波敏郎巡査部長を支援する弁護団長の薦田伸夫弁護士は、一年たってもゴールが見えないもどかしさをにじませた。
薦田弁護士が真相解明の障害と考えるのは、県議会と県公安委員会。県費の執行確認と、県警を指導・監督する立場から本来、大きな役割を担うべき存在だった。しかし両者は、仙波さんから直接事情を聴くことさえせず、弁護団の目には早急な幕引きを図ろうとしているように映る。
これに対し、県議会警察経済委員会の明比昭治委員長は「仙波さんの事情聴取だけが解決の手段ではない。県民の期待には応えているつもり」と追及の手を緩めていないことを強調。事情を聴かない理由に「裁判で係争中」を挙げ「司法判断に影響する行動は控えるべきだ」との考えを示す。
ところが、もう一方の訴訟当事者の県警からは説明を聞いている。野党議員が「一方的な説明では、真実は分からない」と批判するも、明比委員長は「県警から聞くのは予算執行のチェックが必要なため。訴訟とは切り離している」
この委員長解釈を、薦田弁護士はこう切り捨てる。「係争中を理由に議会が訴訟当事者に事情を聴けないという法的根拠はない。要は、やる気の問題だろう」
県議会以上に消極的なのが県公安委員会。昨年十月、県内で現地調査した衆院内閣委員会に対し、吉村典子委員長は「(告発会見を)内部告発とは認識していない」と発言したという。
公益通報者保護法に詳しい関西大の森岡孝二教授(企業組織論)は、この認識を批判した上で「新たな告発や、問題の広がりを封じ込める意図があると思われても仕方がない」。つまりは、県警を擁護する組織と言っても過言ではないわけだ。
この状況を深刻にとらえている国会議員がいる。衆院内閣委員会の野党筆頭理事で、現地調査に参加し、仙波さんと独自面談した大島敦議員(民主)。「都道府県警内にある公安委員会の事務局を独立させ、警察に対する監督強化を検討すべきだ。委員の任命方法を含めて見直す必要がある。党内的に取りまとめて提示したい」
警察へのチェック機能が働かない以上、現行の公安委員会の存在価値はないに等しい。よりよい警察行政を目指すためには、指導・監督システム自体の改革が求められる。