十二月定例県議会は、県警捜査費不正支出問題が再び焦点となった。九日の警察経済委員会で、県警は二〇〇一年度分捜査費の内部調査結果を報告。「執行手続き上の問題はあったものの、私的流用や、裏金として組織ぐるみで不正使用した事実は認められなかった」と結論付ける一方、調査年度を九八―〇四年度に拡大する方針を示した。
捜査協力者からの聞き取りをせず調査結果をまとめた県警に対し、野党会派の県議からは「県民が抱いている疑惑に答えていない」「内部調査でこれ以上は無理。追加調査は外部の人で」などと不十分さを指摘する意見が相次ぎ、県民からも疑問の声が噴出した。
だが、告発者の指摘や全国の同種問題を踏まえ、先頭に立って疑惑を追及すべき警察経済委の姿勢はどうだったか。
「調査を続ける方針は大いに良としたい」「悪質な問題が出なければ本部長権限で打ち切れ」「捜査費問題で連日たたかれ、現場の士気が低下していないか」
調査結果に疑問を呈することはほとんどなく、県警に配慮したような意見が目立った。県警側が「捜査員の立場に立ったありがたい話」と謝辞を述べる場面さえあった。
相次ぐ児童殺害など凶悪犯罪の多発を受け、委員から県民の安全や安心確保に優先して取り組むよう求める意見も出た。しかし、それを理由に中途半端に問題の幕引きをしては、県民の信頼回復は遠のき、治安の維持に不可欠な県民の警察への協力にも支障が出てこよう。県警は疑惑に正面から答え、県民の不信感を早期に払拭(ふっしょく)する必要がある。県議会も、物分かりの良い姿勢を示すだけなら存在意義が問われるだろう。
今議会では、県が十月末に打ち出した財政構造改革基本方針の審議も注目点だった。投資的経費の抑制や県単独補助金の削減などで県民生活に大きな影響が出る可能性があるだけに活発な議論が期待された。だが、一般質問では公表済みの内容をあらためて聞き、理事者が既定方針通りに答える形が多く、財政問題を所管する総務企画委員会でも是非をめぐる質疑は見られずじまい。「総論賛成」という雰囲気の反映だろうが、物足りなさが残った。
同方針を受け編成される二〇〇六年度当初予算案をめぐり、今後、各論部分での賛否が顕在化してくるとみられる。来年二月議会では、踏み込んだ議論を望みたい。
(政治部 山本良)