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愛媛県警捜査費不正支出問題
2005/12/10付愛媛新聞
県警捜査費内部調査 98-04年度も調査へ
01年度 不適正新たに520件
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捜査費不正支出問題で、県警が捜査費内部調査結果を報告した県議会警察経済委員会=9日午後
 松山東署などで二〇〇一年度の捜査費に不正支出が判明したことを受け、同年度の全捜査費の支出状況を内部調査していた県警は九日、不適正な支出が六百二十八件、計約百五十三万六千円あったとする調査結果をまとめ、県議会警察経済委員会で報告した。新たな判明は五百二十件、計約百二十一万五千円だった。県警は対象範囲を一九九八年度から〇四年度までに広げて調査は継続。今回の不適正支出のうち、既に返還した県費分を除く約百三十二万九千円を国や県に返還する考えを示した。
  報告書によると、調査対象は国費一万五千三百六十五件、県費一万五千五百三十八件の計三万九百三件、支出総額約一億二千万円。支払証拠書を精査し、捜査員と当時の署長ら幹部計九百四十六人(退職者含む)から聞き取りした。
  判明した不適正支出は、捜査費以外の支払いが四十件、約二十一万円。捜査費として支払ったが、手続きの不備が五百八十八件、約百三十二万五千円。国費は三百五件、約七十八万八千円、県費(捜査報償費)は三百二十三件、約七十四万八千円だった。支出した捜査員は二百二十五人に上った。
  捜査費を使う二十九所属のうち県警本部の少年課、生活保安課(当時)、機動捜査隊と久万署(同)を除く二十五所属で判明。「プール金にした組織ぐるみの不正や私的流用はなかった」と結論付けた。
  捜査費以外の使途は、伯方署で一人三千円で三十四人が慰労会を開いた領収書があったが、実際の参加者は二十三人だった。また捜査一課と、松山東など九署で、深夜から早朝に限られる補食費(弁当代など)が時間外に二十件、約二万円使われるなどしていた。
  警察経済委員会で粟野友介本部長は「調査結果は誠に遺憾。県民に深くおわびする」と陳謝。〇一年度に導入された「捜査諸雑費制度」を原因に挙げ、「本部会計課の指導が不徹底だった。幹部の認識や捜査員への指導が十分でなかった」と述べた。
  飯利雄彦警務部長は記者会見で、調査範囲の拡大について「しっかり調査し、再出発する意味もある」と説明。関係者の処分は「他年度の状況も含め、個人の責任を問うものか考える」とした。
【額面通り受け止める】
加戸守行知事の話
 時間はかかりすぎたが、裏金プールがなく、ほっとしている。それなりの成果は上がったと思うし、二〇〇一年度には、告発されたような裏金問題はなかったという調査結果を現時点では額面通りに受け止めたい。今後の調査は効率的な取り組みによる早い決着を求めたい。(調査対象を旅費などにも拡大するかどうかは)具体的材料があれば別だが、県警を調べるなら県庁や学校職員の旅費も調査するべきで、膨大な時間や人員を投入してやることには、やや消極的だ。
【一部に問題あり遺憾】
吉村典子県公安委員長の話
 一部に問題が認められ誠に遺憾。私的や組織ぐるみの使用は認められなかったものの、今後、さらに県民の理解が得られるような報告となるよう指示し、再発防止に必要な改善策を講じるよう重ねて指導した。
【全容解明ほど遠い】
[解説]
 捜査費問題を調査している県警が、ようやく二〇〇一年度以外にも調査範囲を広げた。新たに五百件以上もの不適正支出が発覚した以上、当然の判断だろうが、あらためて内部調査の限界も露呈した。
  報告書は、県民誰もが納得できる真摯(しんし)な内容とはかけ離れている。慰労会の参加人数の水増しなど、県監査委員の特別監査などで指摘された手口と代わり映えしない。過去の内部調査と同様、保護を理由に捜査協力者の聞き取りに至っておらず、全容解明にはほど遠い。
  また県警は「裏金のプールや私的流用はない」と従来通り主張したが、根拠は捜査員の事情聴取などに基づく心証。捜査費を使わない職員に偽名領収書を書かせていたという現職警察官らの証言もある以上、全職員の字と領収書の字を鑑定するなど、調査手法そのものの見直しも必要だ。
  新たに取り組む調査年度拡大の理由も、全面的には受容できない。県警は「大量の不適正支出があったことを重く受け止めた」と説明するが、ならば「裏金の最大の原資」といわれる旅費や交際費にメスを入れることが不可欠となる。
  今後の調査で県警に人員投入の余裕がないのなら、県監査委員の特別監査や弁護士らによる外部調査も選択肢となる。調査の客観性を担保し県民の信頼を取り戻すには、こうした手法も当然、視野に入れるべきだろう。
(社会部・池田正人)
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