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愛媛県警捜査費不正支出問題
2005/12/07付愛媛新聞
[2005えひめ10大ニュース]捜査費不正で警官告発 県警打撃 訴訟へ発展 “報復人事”に批判続出
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仙波敏郎巡査部長(左から4人目)が捜査費不正支出の実態を告発した記者会見=1月20日、愛媛弁護士会館
 「私は愛媛県警察本部地域課に勤務している仙波敏郎巡査部長です」。年が明けて間もない一月二十日、捜査費問題では全国で初めて現職警察官が実名で告発会見した。この告発は、昨年から同問題で揺れていた県警に大打撃を与え、事態は訴訟や国会議員による現地調査にまで発展した。
  「一九七三年から九五年まで県内七署に勤務、偽領収書を書くよう指示されたが拒否した」「電話帳から抜粋した住所、氏名のメモと金額が記された領収書を渡された」。具体的な証言が次々飛び出し、県民の不信感はピークに達した。仙波氏は告発の動機をこう言い切った。「正義感。うみを出し切らないと県警に明日はない」
  これに対し、県警は理不尽ともいえる手法を取った。会見のわずか四日後に異動を内示、拳銃も取り上げるという「報復人事」。仙波氏が覚悟を示した「辞めるときは死ぬときだ」との言葉を逆手に取り、「自殺防止」を理由の一つとした。この理屈には、県民から批判の声が上がった。
  仙波氏を支援する動きも高まっていく。一月末に弁護団が結成され、捜査費問題は裁判でも争われることに。仙波氏は二月、県に対して国家賠償請求訴訟を松山地裁に起こし、三月には未払いの「警乗手当」の支払いを県に求めて提訴。訴訟に関連し、裁判官らが旅行命令簿などの証拠保全のため県警本部に入る異例の事態にもなった。
  ほかに大洲署の捜査報償費(県費)の返還を求めた住民訴訟も係争中。裁判では今後、県警関係者が証人出廷することも想定され、司法の場で問題がどこまで解明できるかが焦点となる。
  一方、昨年から二〇〇一年度の捜査報償費を特別監査していた県監査委員は二月末、大洲署で作成された偽領収書の計約十二万円分を「県の損害」と認める監査結果をまとめた。その際、ほかにも県警全体で約十三万円の執行で「疑義がある」と指摘。結局、内部調査では不正を認めなかった県警が七月までに、報償費計約二十七万円を県に返還した。
  十月には衆院内閣委員会が来県して調査し、全国的に注目される問題になっている。
  県警は現在、〇一年度の全捜査費の執行を調査中。結果は九日の県議会警察経済委員会で報告される予定だが、新たな不適正支出があったとみられる。この結果を受けて国や県がどう動くのか。全容解明と県民の信頼回復には、まだ時間がかかりそうだ。
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