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特集 捜査費不正支出2008年12月14日(日)付 愛媛新聞

二審判決を受け、記者の質問に応じる仙波敏郎巡査部長=9月30日、高松高裁前

[2008えひめ10大ニュース](3)内部告発警官の勝訴確定 報復人事を再び認定 二審 裏金には言及せず

 県警の捜査費不正支出問題を内部告発したため、不当に異動させられ精神的苦痛を受けたとして、仙波敏郎巡査部長(59)が県に慰謝料百万円を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審判決が九月三十日、高松高裁で言い渡された。矢延正平裁判長は告発会見直後の配置転換や勤勉手当の減額をあらためて違法と認定、県に慰謝料百万円の支払いを命じた一審判決を支持し、県側の控訴を棄却。同巡査部長の勝訴が確定した。
 矢延裁判長は、仙波巡査部長の配置換えについて、告発会見のわずか四日後に内示されたことなどを挙げ「上司の嫌がらせや見せしめと推認される」として報復人事と認定。一方で、一審判決では認められた裏金告発会見に対する妨害行為の違法性や一連の措置に対する県警本部長の関与については「認めるに足りる証拠はない」と判示。原告にとっては一部後退した内容となった。
 また一審で「容易に存在を否定できない」と推認された県警の裏金については言及しなかった。原告側の主張がほぼ認められた一審判決を覆すために県警側は、裏金が存在しないことの立証が必要だったが、配置転換に直接かかわっていない証人申請をしただけにとどまり、三回の口頭弁論で終了した控訴審で、実質的な審理は一度も行われずじまいだった。
 仙波巡査部長は判決後「告発会見から三年九カ月。勝つのは分かっていたが、不安だった。今日が裏金根絶の第一歩。これからも正しい警察に戻るよう努力していきたい」と力説。薦田伸夫弁護団長は「配置転換は『嫌がらせ』や『見せしめ』とまで表現され、今後社会で重要性を増す内部告発者保護の観点からも良い判例となる」と判決を評価した。
 県警は判決後の十月六日、県議会文教警察委員会で「憲法や判例違反などが見つからなかった」と上告を断念する意向を表明。県警側の敗訴が確定し、広田耕一本部長は十二月定例県議会で「大変残念で申し訳ない」と県民に陳謝した。
 判決確定後、仙波巡査部長は「本部長の謝罪があれば受け取る」として慰謝料百万円の受け取りを留保。県警側は松山地方法務局に供託の手続きを取り、同巡査部長の手に渡っていない。

   
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