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特集 捜査費不正支出2008年10月01日(水)付 愛媛新聞

県警配転国賠訴訟控訴審判決要旨

 高松高裁で三十日、言い渡された県警配転国賠訴訟の控訴審判決要旨は次の通り。
 【記者会見妨害行為】
 二〇〇五年一月十三日と同十九日の仙波敏郎巡査部長と地域課長らの面談は、端緒、時間、進行状況などを検討しても、県警側が無理強いし、巡査部長の意向を無視し、威圧を加え、感情を害するなどした事情は全く見当たらず、違法事由は認められない。
 同三十日の地域課長らによる巡査部長方の訪問も、記者会見阻止のための違法行為をうかがわせる形跡は見当たらない。
 県警本部長や県警幹部らが地域課長らに指示して仙波巡査部長の記者会見を妨害し、中止させようとしたと認めるに足りる証拠はない。また憲法や公益通報者保護法などの越旨に反する事由があるとも認め難い。
 【拳銃保管】
 各警察官に拳銃所持の権利があるとは到底認められず、拳銃の管理責任者には武器としての特殊性、危険性に応じて広範な保管の裁量権が与えられていると解すべきだ。
 当時、仙波巡査部長は精神的に不安定と判断されてもやむを得ない言動があったと認められ、拳銃規範の「亡失その他の事故のため特に必要がある」場合に該当する事由があった。拳銃管理責任者の地域課長の保管判断は相当で、裁量椎の範囲を逸脱、乱用したとは言えない。保管が本部長指示だったと認めるに足りる証拠はない。
 【配置転換】
 鉄道警察隊も通信指令室も同じ地域課で、本件配置換えは課内の内部異動。地域課長は従前からの慣行に従い自らの権限で実施したと認められる。本部長が配置換えを実施または指示したと認めるに足りる証拠はない。
 しかし本件配置換えは、職務上ないし人事上の必要性や合理性とは全く無関係に、記者会見に端を発して実施されたというほかない。権限者の地域課長があえて配置換えした意図は、記者会見に至る経緯や会見内容などに照らすと、捜査費などの不正支出問題に対する県警側の組織的対応とは別行動を取った仙波巡査部長に対する嫌がらせないし見せしめのためと推認される。明らかに社会通念上著しく妥当性を欠くというべきであり、本件配置換えは違法。
 【勤勉手当減額】
 仙波巡査部長の記者会見までの勤勉手当の評価はC(勤務成績が良好)だったが、会見後のC下(欠勤時間がある。勤務成績がややよくない)となり、勤勉手当が減額された。
 配置換え自体が違法で、仙波巡査部長の意に反している上に、新部署が経歴などともほとんど無縁で適任とは考え難いことなどから、評定を下げることは社会通念上著しく不合理で、勤勉手当減額は違法。なお減額に本部長指示を認めるに足る証拠はない。
 【損害額】
 精神的苦痛は大きいというべきであり、慰謝料は百万円を下回らない。このことは記者会見に対する事前の妨害行為が認められず、拳銃保管が違法ではなく、県警本部長が指示したとは認められないことによって左右されるものではない。
 【結論】
 以上によれば控訴人(県警側)は仙波巡査部長に対し、違法な本件配置換えおよび勤勉手当の減額による仙波巡査部長の精神的苦痛に対する慰謝料の支払義務を負う。仙波巡査部長の請求を認容した一審判決は結論において相当。
     ◇
 詳細な判決理由などは愛媛新聞ホームページ(http://www.ehime-np.co.jp/)に掲載しています。

   
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