県が昨年九月に敗訴し、控訴した県警の仙波敏郎巡査部長(59)による国家賠償請求訴訟の控訴審第三回口頭弁論が二十日、高松高裁(矢延正平裁判長)であった。県側が前回の口頭弁論で証人申請していたが、矢延裁判長は却下し、結審した。判決は九月三十日。
県側は前回、仙波巡査部長が配置転換された当時の県警地域課通信指令室の上司(同課次長)を証人申請し、巡査部長側は「必要ない」としていた。その後、同次長と巡査部長の双方が陳述書を提出し、矢延裁判長は証人尋問の必要性を認めなかった。
巡査部長側の弁護団長、薦田伸夫弁護士は「目新しい反論は一切なく、原判決が覆る可能性はないと思う」と控訴審の審理を総括。
仙波巡査部長は「一審で唯一、主張が認められなかった拳銃の取り上げについて、どれだけ踏み込んでもらえるか期待している」と話した。
県警監察官室は「コメントすることはない」としている。
同訴訟は、仙波巡査部長が県警の捜査費不正支出問題を内部告発した直後に不当な異動を命じられ、精神的苦痛を受けたなどとして、県に慰謝料百万円を求め二〇〇五年二月、松山地裁に提訴した。
〇七年九月の一審判決は、告発直前の上司の説得行為の一部や配置転換などをいずれも違法と認定、さらに配転への当時の本部長の関与を認め、原告が勝訴した。拳銃保管は違法ではないとした。
控訴した県側は、配転と告発との因果関係をあらためて否定。本部長の関与も「報告したにすぎない」と主張している。