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特集 捜査費不正支出2007年12月15日(土)付 愛媛新聞

国家賠償請求訴訟で勝訴し、判決を評価する仙波敏郎巡査部長(右)と支援弁護団=9月11日、県庁

[2007えひめ10大ニュース](5)内部告発警官が国賠訴訟で勝訴 本部長の関与認定 裏金問題も踏み込む

 県警捜査費の不正支出問題を内部告発したため不当に異動させられたとして、県警地域課の仙波敏郎巡査部長(58)が県に慰謝料百万円を求めた国家賠償請求訴訟の判決が九月十一日、松山地裁で言い渡された。高橋正裁判長は原告の主張をほぼ全面的に支持した上で、県警の違法行為に本部長の関与があったと認定。裏金問題にも踏み込む判決を下した。県は判決を不服として控訴。舞台を高松高裁に移し、審理が継続される。
 高橋裁判長は告発会見直前の上司の説得行為、配置転換、勤勉手当の減額はいずれも違法と認定。「配置転換は内部からの造反に報復としてされたと推認される」「説得行為としては相当性の範囲を超えていた」と指摘し、県警の主張を次々と退けた。
 さらに上層部の関与について、県警が「地域課長の権限」としていたのに対し「地域課長の権限のみに基づいて判断して行われたとは到底考えられない」と判断。違法行為が組織的に行われていたと指摘した。組織防衛に固執していた県警が受けた衝撃は大きい。
 判決は直接の争点ではなかった捜査費不正支出問題にも言及した。全国的に警察の裏金づくりが問題視され、県内でも大洲署で不適切な会計処理が判明。現職警察官の告発ということを総合的に判断し「告発内容の真実性を安易に否定できない」と、裏金の存在を暗に認めた。
 原告側は訴訟の根幹に「裏金問題の実態解明」を位置付けていた。北海道警元幹部を証人出廷させるなど徹底追及の姿勢を貫き、当時の県警本部長が証人として法廷に立つ異例の展開を引き出した。対する県警は捜査費問題の争点化を避けることに終始した。
 仙波巡査部長は「判決は警察の裏金根絶に向け、一石を投じる機会になった」と評価。各地で同問題に取り組む関係者からは、判決が実態解明への足掛かりになると歓迎した。
 敗訴を受け、加戸守行知事は「当時の県警の行動は妥当。県が賠償するほど違法なダメージを被告に与えたとは思わない」と話した。県警側は控訴審で、配置転換は原判決で唯一主張が認められた拳銃保管措置(取り上げ)から始まった一連の措置として、正当性を主張するとみられる。
 控訴に対し、原告側弁護団は「都合の悪い判決の確定先延ばしと裏金問題の隠ぺいが目的」と批判。県民からも「税金の無駄遣い」との声が上がった。控訴審で県警は形だけの控訴ではないことを示す必要がある。

   
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