県警の捜査費不正支出問題で内部告発したため不当に異動させられたとして、仙波敏郎巡査部長(58)が県に慰謝料百万円を求めた国家賠償請求訴訟で、県は十三日、県警の違法行為を認め賠償を命じた松山地裁判決を不服として高松高裁に控訴する方針を決めた。控訴には県議会の議決が必要で、最大会派の自民党などは既に控訴方針を了承しており、二十一日の本会議で正式決定する。
実質的な被告の県警は判決翌日の十二日、加戸守行知事に事情説明して控訴の意思を伝え、知事から了解を得た上で十三日、県議会各会派にも説明。自民、公明・新政クラブは了承し、民主、社民・護憲連合は対応未定という。
控訴議案は十八日の臨時議員運営委員会で県警側が正式に説明し、二十一日の本会議に追加上程、自民などの賛成多数で可決される見通し。
加戸知事は十三日、「原告の言い分がそのまま認められていることに県警が承服しがたいということであり、県警の気持ちを大切にして控訴審に(判断を)求めることが適当だろう」とコメントした。
原告支援弁護団長の薦田伸夫弁護士は「(配置転換処分を取り消した)県人事委員会裁決への再審請求(却下)と同様、県警は逆転勝訴へ展望を持って控訴するのではなく、捜査費不正支出の隠ぺいと問題先送りを図るためとしか考えられない。一審判決は県民に当然と受け止められたにもかかわらず、さらに税金を使って控訴審に臨むのは許されないのではないか」と話した。
十一日の松山地裁判決は、告発会見した仙波敏郎巡査部長の配置転換命令には県警本部長が関与していたと認定した上で、会見前の執拗(しつよう)な説得行為▽配置転換▽勤勉手当の減額―の三点について違法と判断。原告の請求通り百万円の損害賠償命令を出した。