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特集 捜査費不正支出2007年03月30日(金)付 愛媛新聞

[社説]県警捜査費住民訴訟 門前払いで信頼回復できるのか

 二〇〇一年度の大洲署の捜査報償費(県費)は不正支出だったとして、当時の署長と副署長に約百十万円の返還を命じるよう、知事と県警本部長に求めた住民訴訟の判決があった。
 県警の「裏金づくり」を実名告発した巡査部長の支援弁護団らが起こした。松山地裁の判決は門前払いといえるもので、不満が残る結果となった。
 県警の不正支出問題は〇四年五月、元大洲署職員が偽領収書による「裏金づくり」を告発、その報道で発覚した。実名告発も続き、衝撃が走った。
 こうした事態を受け、〇一年度の捜査報償費を特別監査した県監査委員は〇五年二月、大洲署の約十二万七千円分を不正支出と認定した。
 今回の原告らはこれでは不十分として〇五年五月、一九九九―〇四年度の捜査報償費のうち違法、不当分の返還を求めるよう住民監査請求をした。が、県監査委員は請求を棄却。これも捜査協力者から事情聴取しないなど不十分な内容だった。
 このため原告団は〇五年八月、住民訴訟を起こした。これだけの騒動になったのだから全容解明を求めるのは当然だ。
 裁判では監査請求の時期が問題になった。地方自治法は、支出から一年を経過すると監査請求できないと定めている(二四二条)。ただし、正当な理由がある場合は別だ。
 監査請求が支出から三年以上遅れたのは事実だ。が、当初は疑惑が発覚しておらず、早期の請求は無理だった。
 被告側は、疑惑の報道が始まった〇四年五―六月からでも一年近くを経過しているため、請求は「相当な期間内にされたとはいえない」と主張した。判決も同様に「請求の遅れ」には正当な理由がないとし、訴えを棄却した。
 一方の原告側は、捜査費は極端な非開示扱いで、監査対象の支出を具体的に特定するのは困難だったとして「請求の遅れ」には正当な理由があると主張したが、認められなかった。
 不正の有無について審理することなく、あっけなく終わった裁判には釈然としない。
 監査請求が少し遅れたことがそんなに大きなミスだろうか。遅れたといっても、疑惑が明るみに出てから一年もたってないのだ。情報の非開示という高い壁がある以上、特別監査の結果を待ってから請求するのもやむを得なかっただろう。
 法律をしゃくし定規に解釈するよりも、県費にまつわる疑惑を徹底解明する方が県民にとってより大切であり、利益にかなうはずである。
 被告側の立場でも、堂々と審理に応じて疑いを晴らすほうがよかったはずだ。この判決で、県民の信頼を取り戻すことは難しいに違いない。
 県警は不適切な会計処理や不正支出を一部認め、若干の金額を県に返還したが、指摘された疑惑から見れば氷山の一角の感じがするのは否めない。全容解明に大洲署の支出問題が突破口になるかと思われたが、期待はずれに終わった。

   
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