県警の捜査費問題で、二〇〇一年度に大洲署で執行された捜査報償費(県費)は不正支出として、内部告発した仙波敏郎巡査部長の支援弁護団らが当時の署長と副署長に約百十万円の返還を命じるよう加戸守行知事と県警本部長に求めた住民訴訟の判決が二十八日、松山地裁であった。沢野芳夫裁判長は「(県監査委員が受理した)住民監査請求が不適法のため(それに基づく)本件訴えは不適法」として訴えを却下した。一連の捜査費問題をめぐる訴訟で判決が出たのは初めて。
判決は、〇二年三月に執行完了した同署の〇一年度の捜査報償費をめぐり、原告らが〇五年五月、地方自治法の請求期限(一年)を超えて県監査委員に求めた監査請求の正当性を検証した。
沢野裁判長は、原告らが同署の元会計課長に事情を聴いたり、疑惑を示す資料を公開したりした〇四年六月時点で「(原告らは)捜査費の支出が不当または違法に行われたことを認識し得た」と判断。この時点から十カ月余りが経過した監査請求は「正当な理由に当たらない」と述べ、住民訴訟の前提となる監査請求の不適法を理由に原告の訴えを退けた。
原告側は「判決は実体審理に入らず門前払い。警察の裏金問題の解明と根絶に応えるべき裁判所が本来の役割を放棄するのは、警察権力に迎合したとの批判を免れない。控訴については判決文を検討して判断する」との声明文を出した。
県警の山崎幸夫首席監察官は「主張が認められた妥当な判決。県民の期待と信頼に応えるため捜査費の適正執行に万全を期したい」とのコメントを出した。