• 東予

  • 中予

  • 南予

%はの降水確率

HOME > 社説 > 記事詳細
  • [PR]

民進党の新執行部 一日も早く「挙党態勢」の構築を 2016年09月20日(火)

 民進党の新執行部が出だしからつまずいている。15日の代表選で初の女性リーダー、蓮舫氏を選んだものの、幹事長に野田佳彦前首相を起用したことに党内から不満が噴出、その他の役員人事の正式決定を今週に持ち越した。旧民主党時代から繰り返し批判されてきた内紛体質が早くも露呈した格好だ。
 臨時国会の開会が26日に迫っている。「足の引っ張り合い」をしている場合ではなかろう。蓮舫氏は、代表選で他の2人の候補を大きく引き離して勝利した。党員や党所属国会議員らがイメージを一新させる切り札として選んだ証しである。
 共同通信社の世論調査でも蓮舫氏に「期待する」との回答は56・9%と高い。国民の期待に応えることを最優先に、一日も早く挙党態勢を構築し、巨大与党に対抗しなければならない。
 野田氏は首相時の2012年に消費税増税を決断。小沢一郎氏らと激しく対立し、当時の民主党の分裂を招いた。その後、衆院の解散に踏み切って大敗。党を下野させた「負の歴史」を背負う。党内にわだかまりを持つ議員が多いのは確かだ。刷新の印象も薄い。
 一方で、参院議員である蓮舫氏にとって、衆院の論戦で安倍晋三首相に対抗できる重鎮の起用が絶対に必要だった。事実上の党ナンバー2である幹事長を同じグループから出すことは極めて異例で、党内から批判が上がることも覚悟した上での起用だった。現に、細野豪志元環境相が「党内が持たない」と再考を促したが、蓮舫氏は翻意しなかった。
 民進はいまだに、旧社会党出身者から保守系まで、幅広い層の議員を抱える寄り合い所帯のまま。党内人事ではなく、政策論争にこそもっと時間を割くべきだ。臨時国会では、憲法や安全保障、野党共闘など、党内で意見が分かれる基本政策について与党との論戦が待っている。党としての方針を早急に決めなければならない。
 蓮舫氏自身にも反省すべき点がある。日本と台湾の「二重国籍問題」だ。法律上の問題がないとはいえ、説明が二転三転したことには疑問符が付く。代表選で他の陣営に不満の火種を残してしまった。
 党内には早くも「泥舟」との自嘲気味の声が上がる。野田幹事長を承認した16日の両院議員総会には、全議員の半分にも満たない60人しか出席者がいなかった。党としての一体感は全く感じられず、過去の反省を全く生かせていないことに失望を禁じ得ない。
 菅義偉官房長官は民進の新執行部に対し「ぜひ党内を取りまとめていただいて、国会で提案型の論争をしたい」と話した。民進の現状を皮肉った「挑発」とも取れる。安倍政権に代わる選択肢を待ち望む国民の期待をこれ以上裏切ることは許されない。党が本当の「崖っぷち」に立っていることを、党員全員が改めて心に刻むべきだ。