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「誓いのコイン」ロシア公演特集2012年09月20日(木)付 愛媛新聞

【左上】1、2階席からオールスタンディングの喝采を浴びながら舞台を降りる主役の看護師サチ役の佐伯静香さん=18日午後、オレンブルク
【左下】日本人抑留者の慰霊碑に「誓いのコイン」の主題歌「心の国境を超えたい」をささげる役者ら=17日午後、オレンブルク

愛と友情 熱演に称賛 西条出身・佐伯静香さん主役 誓いのコイン 露公演

 【オレンブルク(ロシア)愛媛新聞=末光徹】坊っちゃん劇場(東温市見奈良)のオリジナルミュージカル「誓いのコイン」が18、19の両日、ロシア・オレンブルク州の州都オレンブルクにある国立ドラマ劇場で上演された。同劇場は150年の歴史を持つ。3回公演初回の18日には満員の約400人が詰めかけた。州政府関係者らによると、同州で日本の舞台芸術作品が披露されるのは初めて。
 「誓いのコイン」は日露戦争時の松山を舞台に捕虜のロシア兵と日本人看護師サチの愛を描いた作品。
 オレンブルク州はカザフスタンとの国境に面し、州都オレンブルクはモスクワの南東約1500キロで人口約50万人。
 公演では、天井からつったボードにプロジェクターでロシア語字幕を投影。劇の進行とともに、観客はじわじわとストーリーに引き込まれた様子で、食い入るように舞台と字幕に目を交互に移していた。カーテンコールではあちこちから称賛の声。観客全員が立ち上がって地鳴りのような拍手を送っていた。
 18日の公演では、西条市出身の佐伯静香さん(30)=東京=がロシア公演で初めてサチ役を務めた。坊っちゃん劇場で培った情感あふれる演技と美声を披露し公演後、「貴重な経験をさせてもらえて本当に感謝。愛媛のもてなしの心が伝わった手応えがある一方で、ロシア人のぬくもりも肌で感じた」と目頭を押さえた。同市から応援に駆け付けた母るり子さん(54)も「地元や企業などの期待が大きく、プレッシャーで眠れない日が続いていたようだ。お疲れさまと言ってあげたい」とねぎらっていた。
 オレンブルクの学生アレーシャ・リトビーナバさん(17)は「当時の日本はロシアの敵の一つとしか教えられなかったが、温かく優しい印象に変わった」と感想を語った。
 一行は21日に帰国。ロシア公演で約2週間休館中の坊っちゃん劇場の公演「幕末ガール★ドクトルおイネ物語」は24日から再開する。


[合唱 抑留者しのぶ 誓いのコイン露公演 13人 日本人慰霊碑訪問]
 【オレンブルク(ロシア)愛媛新聞=末光徹】「小さな一歩でも歩き続けて、小さな声でも歌い続けて。世界がひとつになる日まで」。オレンブルク公演前日の17日、坊っちゃん劇場(東温市見奈良)の役者ら13人は、オレンブルク市内の旧ソ連による日本人抑留者の慰霊碑を訪問。劇中で披露する主題歌「心の国境を超えたい」を全員で合唱し、遠い異国で亡くなった先人に思いをはせた。
 第2次大戦後、旧ソ連(ロシア)のシベリアを中心に、旧満州などから移送された約57万5千人の日本人抑留者がいて、約5万5千人が死亡したとされる。厚生労働省によるとオレンブルク州で126人が3カ所に埋葬されたことが確認されている。同州政府関係者は「抑留者は国立ドラマ劇場などの建設労働に携わった」としている。
 役者13人は、舞台設営を待つ空き時間に、オレンブルク中心部から車で約10分の慰霊碑へ向かった。慰霊碑は2008年に日本政府が建立し、市当局が管理する抑留者埋葬跡地の公園の一角にある。「1945年から56年の間に祖国への帰還を希(のぞ)みながら亡くなった日本人の方々をしのび、平和への思いを込めて」と日本語とロシア語で刻まれている。同州によると、市当局や市民らが定期的に清掃しているという。
 慰霊碑の前で主題歌を歌った後、一行を代表して主演の日本人看護師サチ役の佐伯静香さん(30)=西条市出身=らが献花。ロシア人捕虜ピョートル役の平野淳さん(34)=東温市北方=は「帰りたくても帰れなかった日本人のことを思うと胸が苦しくなった。同じ立場にいるロシア人のイメージが膨らみ、具体性が増した」と感想を語った。

   
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